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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ… もっと読む
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2020年4月の記事一覧

沼津で戦った安倍貞任と源義家の伝説

仙台藩が安永年間(1772―1781年)に村単位で提出させた安永風土記御用書出には、男女別の人口や村の広さをはじめ、地名の由来や特産品、名所など現代に通じる「地域自慢」が記録されている。石巻地方の風土記には前九年合戦(前九年の役)で争った「安倍貞任」と「源義家」に関する伝承が多数記述されている。今回は、約250年前の先人たちが書き残してくれた史料を元に2人に由来する場所を探検する。(石森洋史) ◆前九年・後三年の合戦とは前九年合戦(1056―1062年)は陸奥守・鎮守府将軍

石巻川開き祭りは中止 新型コロナ収束見えず 実行委「来年は盛大に」

 石巻市最大の夏祭りである「石巻川開き祭り」は27日、今年の開催が中止されることが決まった。新型コロナウイルス感染拡大の収束が見えないため。会見した石巻商工会議所会頭で、石巻川開祭実行委員会の青木八州会長は「残念だが、断念せざるを得ない。来年できるとすれば日程や花火の打ち上げ場所を含めて検討し、盛大に開催したい」と話した。【熊谷利勝】 日程、花火会場含め検討  開催の可否に関しては、東北各地の祭りが相次ぎ中止を決めたことや、祭り参加者、観覧者の安全を第一に検討。実行委の主要

臨時休校 消えた時間 「勉強の進め方分からず」「最後の夏信じて」

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で、市立小中高校、県立高校は5月6日まで臨時休校となっている。授業の遅れや部活動の中止が続いており、時間が経つごとに児童生徒の間に戸惑いが広がっている。【外処健一】  各校では休校前に自宅学習用の課題を配布しているが、特に高校1年生は分からない問題を聞こうにも学校に慣れておらず、同級生の顔もほぼ知らない。休校は全国的な問題だけに「仕方がない」と理解はするが、不安が消えることはない。  石巻工業高校の1年の佐藤仁胡さんは「学校に行けたのは入

【東松島市】10万円給付へ推進室設置 最短5月中旬に振込

 東松島市は27日、新型コロナウイルス感染症に伴う政府の緊急経済対策「(仮称)特別定額給付金」の給付を行うため、庁舎西側プレハブ棟1階に給付金交付推進室を置いた。最短で5月中旬ごろの給付を目指し、職員が国の補正予算案可決前後から対応にあたることとなった。【横井康彦】 渥美市長と勝又室長が推進室の看板を設置  政府は全国民に一律10万円の給付を盛り込んだ補正予算案を27日に国会へ提出。市は可決後の迅速な対応に向け、総務課長の勝又啓普室長以下9人で構成する推進室を設置した。同

新型コロナ影響で史上初 インターハイ中止決定 石巻地方の選手「残念」

 全国高等学校体育連盟(全国高体連)は26日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、今夏に東北から九州まで21府県で分散開催を予定していた全国高校総体(インターハイ)の中止を発表した。代替策の検討も協議される見通しだが、高校生アスリートの夢の舞台の中止に対し、石巻地方の選手からも落胆の声が上がった。【山口紘史】  今大会は当初、東京五輪・パラリンピックの開催に伴って競技会場や宿泊施設の確保が難航。全国高体連は21府県で分散開催する方針だった。そこに新型コロナの流行で部活動の自粛

1割増券で飲食店応援 石巻観光協会・20店舗対象 苦境の今こそ支え合い

 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける飲食業界を応援しようと、一般社団法人石巻観光協会(後藤宗徳会長)は24日、「石カラ・プロジェクト」を立ち上げた。第1弾として28日から同協会加盟の20飲食店で半年間有効の1割増応援チケットを売り出す。チケット1枚3千円で、3300円分として使える。販売期間は6月30日まで。同協会は「9年前の震災時、飲食店のみなさんには炊き出しなどで勇気をもらった。今こそあの時の恩返しを」と支え合いを呼び掛けている。【近江瞬】  新型コロナの感染拡

駅前の日替わりお弁当屋さん ナイスピクニックデイ(石巻市鋳銭場)

限定フレンチトーストも  ナイスピクニックデイは、4月16日に石巻駅前にオープンした持ち帰り弁当の店。わずか1畳の店内は厨房がなく、石巻市三和町の「釜めしかふぇ万石庵」で手作りし、運んでくる。基本は毎日おかずが異なる日替わり弁当。献立を考える上で、1週間続けて利用しても栄養が偏らないよう気配りしている。 駅前に面した一畳ほどの店  品を変え、弁当は毎日2、3種類のみ販売。駅前に面し、道行く人が「今日は何の弁当」とのぞき込む。取材日の日替わりは、メーンのおかずが鶏肉を揚げた

本紙記者で若手短歌部部長 歌集「飛び散れ、水たち」刊行 新人賞など365首収録

 石巻日日新聞社報道部記者で、石巻地方の若手短歌愛好者で作る「短歌部カプカプ」部長を務める歌人の近江瞬さん(30)による第一歌集「飛び散れ、水たち」が東京都の出版社左右社から刊行された。歌人の山田航さんの監修のもと、新人賞受賞作や候補作を含めた365首を収録。みずみずしい青春のシーンから、自身と古里石巻の関係を描いたものまで、今ここにしかない瞬間を三十一音で鮮やかに切り取った作品が収められている。【外処健一】  近江さんは平成元年、石巻市に生まれ、石巻高校を経て、早稲田大学

市役所に待望の「イオン石巻駅前店」開店 にぎわい期待も感染警戒で粛々と

 空き区画となっていた石巻市役所1階商業施設に23日、食料品スーパーと専門店からなる「イオン石巻駅前店」がオープンした。高齢化が進む中心市街地の生活利便性の向上やにぎわい創出が期待されるが、新型コロナウイルス感染拡大への警戒で記念の催しは見送られ、粛々と開店初日を迎えた。【熊谷利勝】  全体の売り場面積は以前と同規模で、イオン東北(株)=本社・秋田市=が直営するスーパーが1295平方メートル、ATMを含む9つの専門店が1074平方メートル。外出自粛の情勢を踏まえて積極的に告

休校、休業で生産者苦境 「持ちこたえるしかない」「長期化不安」

 新型コロナウイルス感染拡大で再び休校が延長され、学校給食に関わる業者や生産者にも影響が出ている。さらに飲食店の休業も重なり、農水産物の流れも鈍く、価格の変動も生じている。【渡邊裕紀】  石巻市大瓜の相澤製菓(相沢茂利代表)では、市内17校約4千食分の炊飯を担う。定期収入が見込める業務の柱だけに休校の影響は多大。収益は昨年同期比で8割以上減り、補償がなければ継続は難しい。  相沢代表は「全国的な問題で仕方ないことだが、感染が学校にも広がれば今以上の打撃になるのは確か」と苦

小学生お手柄消火活動 ジュースかけ火災防ぐ 勇気ある行動 石巻署感謝状

 石巻署は22日、力を合わせて火の手から住家を守った東松島市立矢本西小学校の松本春馬さん(5年)、庄子奏生さん(同)に感謝状を贈った。2人は遊んでいる最中に近所の家から煙が上がっているのを発見。消火活動と通報を行い、火災を食い止めた。【渡邊裕紀】  2人が火災現場に遭遇したのは4月8日午後2時40分ごろ。屋外で遊んでいたとき、同市矢本字四反走の民家敷地内から煙が出ているのを見つけた。近付くと花壇の枕木付近から30センチほどの高さで炎が上がっていた。家主も不在だったため、2人

東北ゆかりの俳優熱演 舞台「煙が目にしみる」 涙と笑いの斎場模様

 東北地方出身の俳優らが舞台を届ける「TOHOKUルーツプロジェクト」の東松島公演が先日、東松島市コミュニティセンターで開かれた。同市出身の葛岡有さん(18)も出演し、笑いあり、涙ありの舞台を市民らに届けた。  同プロジェクトは平成24年に発足。東日本大震災の発生後、〝被災地〟と呼ばれるようになった古里に、新しい記憶と思い出を創りだすことを目的としている。28年に岩手、宮城、福島の3県出身者を軸とした音楽劇「想稿・銀河鉄道の夜」を都内や仙台市などで上演した。  今回も3月

新型コロナウイルス情報掲示板

読者の皆さまへ  新型コロナウイルスの全国の感染者は1万人を超え、300人近くが亡くなっています。今、世界中で取り組んでいるのは、できるだけ感染者を増やさないこと。そのために私たちに求められているのは、風邪やインフルエンザ予防などと基本的には変わりません。こまめに手洗いをし、人と会う時はマスクを着用し、人混みを避けることです。  ただ、新型コロナウイルスの場合、感染してもすぐに症状が出ない、または無症状のケースも多く、普段通りに活動するため、知らぬ間に周囲へうつしてしまいま

遊興施設など休業対象 25日から5月6日まで 飲食店に時短営業要請

 県は21日、新型コロナウイルス対策の本部会議で、特別措置法に基づき休業要請を行う施設の種類を決めた。生活必需品以外を小売する店や接待飲食店など約2万9千施設を対象とし、期間は緊急事態宣言発令中の25日から5月6日まで。飲食店は対象外だが、営業時間の短縮を要請する。県は国の臨時交付金の活用を視野に入れ、要請に対する協力金の支給を検討している。【熊谷利勝】  感染症まん延防止に向けて休業要請を行うのは、生活に必ずしも必要でなく、不特定多数が利用し、密閉、密集、密接の「3密」を