パラレルワールド


悪いことが起きたとき、私はパラレルワールドがあればどんな風になっていたかを想像する。

振られたので湯船に浸かる。この先も上手くいっている2人を想像して悲しみに浸る。湯気と涙で目の前がぼやけて、ほのかにバスソルトのいい匂いがする。
目を瞑ってそーっと現実から逃げる。あのときこうしてたら、もっとこうしてたら、あれをしなければ、もっと違う伝え方しておけば、の世界を想像する。自分のいい方にもっていくのでほぼうまくいく完璧な世界になる。
もっと遠くへ逃げたい。けど、生きているので汗はかくしのぼせている。血管がドクドクしてるのが伝わる。血の巡り良くなりすぎている。仕方なく湯船から出る。

お風呂場で想像している世界、私が経験しているかもと無理矢理思い込んでいる。

この世界の自分は今辛いけど、どこか違う道を歩めたかもしれない世界の私を想像して悲しみを減らそうとしている。その高低差で、余計悲しくなるときもあるけど。

この世界と他の世界で分けていて、パラレルワールドには行けないと思いがちだけど、もしかすると、寝て起きたら違う世界に飛んでたりするのかもしれない。

逆にこの世界の私が嬉しいとき他の世界の自分は苦しくて悲しくて辛いのだろうか。

いるのであればこうやって他の世界の私もこの世界の私について考えてくれてたらいいな。
のぼせて何もやる気が出ずベッドでうとうとしてる。歯磨きしてない。朝から嫌悪を抱かせるのは嫌だ。起きたら歯磨きした世界線に飛べてたら良いなと思う自分もいる

パラレルワールドのわたしは歯を磨き終わってて隣に恋人もいて一緒に寝れるといいな。おやすみなさい。

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