アルモンデは自由だ
普段は小さな料理教室で、アシスタント兼運営サポート(つまり何でもやる人)として働いています。
転職はしつつも、ずっと会社に属してフルタイムで働いていますが、ほぼ月に一度で続けていることがあって。
それが食卓をみんなでつくる場。
料理教室って言葉がしっくりこなくて、そんな言い方をしています。
会社員以外の活動を、ひびのわという屋号でやり始めて6年目に入ったこの9月。
ずっとやりたかったことを、試し始めています。
それは、事前にレシピを作らないクラス。
色々な調理法を知ることは必要だし、まずはきっちりレシピ通り作って、成功体験を積んでいくことも大切。そこは全くその通り。
ですが、私自身は毎日のご飯をレシピありきで作っていないんですよね。私の母もそうでした。
今家にあるものをざっとみて、
「小松菜くったりしちゃったなぁ。
油揚げがあるし、さっと煮ようか」
「この大根筋っぽいね。
茹でてから、フライにしようか」
とかとか。
素材ありき。
それもその時の状態ありき。
基本はアルモンデ。
冷蔵庫の中に眠っていた食材や、いつ買ったのかわからない調味料、
元気が無くなってしまった野菜たちも、美味しく食べることができるってこと。
それらをないものとして新しい何かを買う前に、アルモンデ。
家庭内で、その循環を作りたい。
初めての試みに、友人の農家さんが協力してくれました。
用意してくれたのは、
・とにかく育ちすぎたつるむらさき
・陽に当たりすぎて色あせたパプリカ
・茎はすでに木と化したモロヘイヤ
・凹んでるいちぢく
・ずいき(里芋の茎)の根元
などなど。
市場には出せない、でも調理次第では十分に食べることのできる野菜たち。
クラスの最初の30分は、相談タイム。
それぞれの野菜を見て触って、どんな風に食べようかをみんなで打ち合わせする時間です。
葉っぱと茎は分けて使う?細かく刻む?茹でる?塩揉みで生?煮込む?
ワイワイと大体の設計図が描けたら、下拵えをスタートします。
下拵えは、最終的な一皿の指針を決める大切なもの。
この時点で、さっき作った設計図が大幅に変更上書きされていきます。
茹でても茹でても柔らかくならないツルムラサキの茎は、細かく刻んでよりネバネバを生かすことにしたり。
イチヂクとオイルでサラダにする予定だったリコッタチーズは、たまたまあった白味噌と合わせたらまるでチーズケーキ!なので、スイーツに。
などなど。
ああでもないこうでもない。
実際に下ごしらえして、沢山味見して、ワイワイしていたら、
予定の倍近い品数が出来上がっていました。
茹でて、焼いて、煮て、揚げて、調理法もいろいろ。
みて、手にとって、その時のその食材にきっと合うだろうなという勘を頼りに。
今は「勘」だれど、何度ご飯を作っていく過程で、知恵として身についていくもの。
初めての「アルモンデナンデモデキルサ」は、反省もありつつ、でも、
色んなこれからが見える形で終了しました。
そのひとつひとつをもう一度見直して、10月もやります!
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