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未来を食い散らかして生きていきたくない


先日のnoteにも書きましたが、9/22〜29までは国連が定めたSDGs週間。
私たちの日々の生活の小さな(と思っている)ことが、どれほど地球の未来に負担をかけているか、果たして意識したことがあるでしょうか。
毎日意識なんて、してないな、私。
今年の国連気候変動サミットで、16歳のグレタ・トゥーンベリさんが悲痛な顔で、バカな大人たちに伝わるよう考え抜いたであろうスピーチを、何度も何度も見返しています。


悔しさと憤りと怒りに満ちたその表情には、諦めたくない、信じたいという気持ちが感じられました。その一方で、現実には希望なんて何もなくて、少しでも力を抜いたら、あっという間に未来を諦めることになってしまう切なさ。
なんどもなんどもグレタさんの姿と言葉を見直して、思い出すのは私とほぼ同い年のセヴァン(=スズキ)が、30年近く前に地球環境サミットで話した言葉たちです。



セヴァンは私の一つ下。グレタは私やセヴァンにとっての子供世代です。
この一世代で、何が変わったでしょう。

「直し方がわからないものを壊すのはもうやめてください。
本当に子供達を愛しているというのなら、行動で示してください。」

セヴァンの言葉と全く同じ内容を、一世代下のグレタにも言わせてしまっているのです。

「あなたたちが本当に状況を理解して、それなのに行動できずにいるのなら、
あなたたちは悪です。」

大人たちを「悪」と言い切るほど、未来への不安を抱えているのです。


未来永劫続くはずのない経済成長のための駆け引きと、恐怖で人を支配する戦争(やること前提で引き延ばすだけ)の駆け引きと、いかに自分だけが得をして生きていくかという駆け引き。
目の前の敵だけではなく、一生会うことも知ることもない命をも踏み潰して、食べることのできないお金を増やし続けて、ゼロから生み出すこともできない植物たちの世界を荒らしていく毎日。
その先の未来に残るのは、なんですか?

大人である私がこんなことを言うのは、バカみたいなことかもしれません。
経済が回らなければ仕事がなくなって、食べていけなくなるよ、子供も育てられないよ。そんな風に言われるのかもしれません。
でも守りたいのは、大切な人の笑顔や、子供達の未来、穏やかな生活のはず。
ならば、今やらなければならないことは、今一番やらなければならないことは、この地球を住みやすい場所にかえていくことなのではないでしょうか。
そのための技術革新であり、そのための国際協力、その為の経済だし、その為の進化のはずなんです。
そういうことを話し合うために集まっている会議なのでしょう?本来は。
会議という場所に集まるため、様々な環境コストをかけ、莫大な費用を投じて、結果守れたこと、改善できたことはどれくらいあったのでしょうか。

2019年、日本は世界平均よりも2ヶ月以上早い5月13日に、オーバーシュートDAYをむかえています。
オーバーシュート、つまり自然からの供給量に対する、人間の消費量が上回ってしまうこと。
例えるならば、もらっているお給料より、使うお金の方が多いと言うこと。
年収を5ヶ月で使い切ってしまっていると言うこと。
では、残りの7ヶ月はどうやってまかなっているの?
もちろん借金しているのです。貯金もとうに使い果たして、延々と返せない借金をし続けているのです。
それは、未来の子供達の資源を食い荒らしていると言うこと。
返すこともできないのに。

お金ならば、宝くじが当たったり、投資で大儲けしたり、一攫千金でまとめて借金返済もできるのかもしれません。
でも植物や動物の命、地球の資源に関しては、そうはいきません。
絶滅してしまった動物たちは永遠にその姿を見ることはでません。
一つの種が消えたことで崩れた生態系が、新たなバランスを整えるためには大変な時間がかかります。その土地自体から、生物が消えるかもしれません。
なくなってしまった植物の種は、もう二度と戻りません。
人間は遺伝子組み替えやゲノム操作はできても、ゼロから新たな植物を生み出すことはできないのです。
当たり前のことですが、天地創造の神のように、何もないところから新たな命を生み出すことはできないんです。
これ以上未来を食い散らかしていくのは、やめよう。今すぐに。

私にできることは、知ること。
表面上のエネルギー問題や、貧困や、国の対立や、動物・植物のこと、そしてその先のもっと深い根本的な問題。
それと同時に、いやもっと前に自分が今何を持っているのかを総ざらいすることも。
無駄なくあるもので工夫する、新しい何かを欲しがる前に、買う前に、まずは今の自分の状態を確認すること。
私自身がまず、オーバーシュートしないように。
大きな問題も小さな家庭から。私ができることはまず、大きな問題で目をくらまさないように、目を凝らして半径5mのことを観察して、問題を解決して、少しずつ範囲を広げていくこと。

知らなければ、動けない。
動かなければ、変わらない。
また30年後、セヴァン、グレタの次の子供に同じスピーチをして欲しくない。




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