日比野ナカ

ありふれた日常を過ごすどこにでもいる人ですが、そんな日常にも物語があって、そんな自身の…

日比野ナカ

ありふれた日常を過ごすどこにでもいる人ですが、そんな日常にも物語があって、そんな自身の想像、体験、感情を基にした物語を伝えてみようと思います。

マガジン

  • 不登校の高校生の彼

    不登校の高校生の彼の、不登校の高校生の彼との物語

最近の記事

友達の輪に入れなかった時、親はどうすればいいのか

仲間はずれについて考えた記事を書いた。 書きながら、第一子が友達の輪に入れなかった時のことを思い出していた。 当時、小学1年生。 何かの行事で集団下校した後、「みんなで遊ぶ」と、近所の高学年の子のお家に出かけて行った。そして、行ったと思ったらすぐに戻ってきた。 「僕はダメなんだって」と泣きそうだ。 小学1年生が話すことだけでは、状況が全く読めないが、 私は「なんでダメなんだろうね。お母さんにも分からないけれど、お母さんと一緒に遊ぼう」と言った。 その子のことはよく知って

    • これって仲間はずれになるのかな?

      私には高校の部活で仲良かった7人のグループがある。高校卒業してからも定期的に集まってきた大事な友達だ。 段々と集まりに来なくなったAは、個別に季節の連絡をすれば返事は返してくれるが、グループLINEへの返事はほとんどない。 Bは自営業で、集まりが土日開催が多く、ほぼほぼ参加ができない。参加はできないが、グループLINEには必ず連絡をくれる。 そんな経緯もあり、夏に集まろうと声がかかったのは、前回にお店の相談をするために別に作ったA、Bが参加していないグループLINEだっ

      • 世間体が一番大事な母と

        三連休に実家に帰った。 兄と私は、実家から西と東にそれぞれ車で2時間ほどの距離に住んでおり、それぞれが実家に帰ってはいるものの、なかなか都合が合わず、1年半ぶりに実家で顔を合わせ、一緒に用事を済ませた。 兄も私も母の性格を熟知しているので、言い争いはなかったが、一緒に行動すると兄も私も母へ思うところは同じであった。 実家は程よい田舎で、ご近所さんとの付き合いもしっかりある。それはいいところであるが、悪いところでもある。 一人で暮らす母にとって、ご近所さんとの付き合いはとて

        • どういう人生を歩むのがいいんだろう

          彼が不登校まっただ中の頃、 「どういう人生を歩むのがいいんだろうと色々考えるわ」と夫が言った。 親それぞれが大学を卒業し、また、大学で学んだことが今の仕事に繋がっていることから、子ども達は大学進学をすることを前提として、勉強の大事さを伝え、また教育資金も準備してきた。 大学進学を子どもが希望するならば、進学実績がある高校へと思っている。一緒に頑張れる仲間がいた方がいいという思いからで、それは変わらない。 彼は大学進学を希望している。 彼が希望するなら応援するが、 自立す

        友達の輪に入れなかった時、親はどうすればいいのか

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        • 不登校の高校生の彼
          15本

        記事

          反抗期の子どもとどう付き合うか

          ベッドでスマホを見ている第二子に話しかける。 「明日、雨予報だけど、車で送った方がいい?」 「‥‥‥」 「車で送るなら、お母さんの朝の予定が変わるから早めに言って」 「‥‥‥」 自転車通学の第二子は雨の日は時々送迎を希望する。その相談をしたいのに無視だ。 突然のことで決められないなら、そう返事をすればいいものを、「無視とはどういうことだ」と、一言、言いたくなるが、「同じ土俵に上がるな」と自分に言い聞かせ、その場を去る。 第二子は典型的な「反抗期」だ。 こちらから話し掛ける

          反抗期の子どもとどう付き合うか

          同じ言葉でも、同じようには伝わらない。

          「こんにちは!」 今日も元気な声で納品に来た。 初夏から担当になった社会人2年目の新人営業さんだ。ちょっと失敗が多いけれど憎めない。 彼は愛嬌がとてもある。 「すみません」 「ありがとうございます」 の言葉がしっかりと言える。 そして、その響きがとても心地よい。 そんな話を隣の席の社員さんにしたら、 「彼は調子が良いだけで、彼の言葉は薄っぺらい」と返事がきた。 同じ言葉でもどうしてこうも相手によって伝わり方が違うのだろうか。 一つ一つに様々な側面があるのだと改めて考え

          同じ言葉でも、同じようには伝わらない。

          子どもの心配はいつまで続くのだろうか

          猛暑日が続く頃、高校の同級生とランチに行った。 本音で話せる友人だ。 息子が不登校であることは、すでに打ち明けていた。 友人の息子さんは有名私立大学の3回生。昨年度、休学し、今年度も休学をしている。 「本当、お互い、心配があるね」 「これからどうするの?」 「留年が決まったからね、10月から通信制高校へ転校するかな」 「そっか、無事に転校できたらいいね」 「Tくんはどう?大学を休学して何してる?」 「聞いてよ。去年はさ、留学したいって言って、カナダに語学留学したから、まぁい

          子どもの心配はいつまで続くのだろうか

          不登校の高校生の彼の「新しい道」

          何回、高校の受付で先生を呼び出して頂いたであろうか。 泣きそうになるのを必死に堪えたり、 在校生の元気な姿を羨ましく思ったりしたが、それも今日で最後だ。 転学の書類を書きながら、先生と雑談をする。 「18日しか出席してなかったんですね」 「私もそんなに少なかったのかと思いました。席が前だったので、入学当初からよくお話したんですよ」 「短い期間でしたが、学校に行けなくなってからも色々と考えてくださってありがとうございました」 不登校が始まった頃は、高校に対して様々な感情があ

          不登校の高校生の彼の「新しい道」

          子どもが不登校になった時に、親の私が助けられたところー未来地図

          彼が「学校に行かない」ことを決めたその時から、それはそれは、あらゆる検索ワードでネットの世界に溢れている情報を探した。 一時期、全ての広告が不登校関連であったと言っても過言ではないと思っている。 経験者、家族、支援者、様々な方が情報を発信している。 心配で弱ってる心につけ込むかのようなサイトもあるようにも思う。 見ている側も心をしっかり持たないといけないと思った。 来る日も来る日も、ネットの世界に「何か」を求めていた時に、同じ不登校の高校生の親さんが綴っておられるブログに

          子どもが不登校になった時に、親の私が助けられたところー未来地図

          子どもが不登校になった時に、親の私が相談したところースクールカウンセラー

          不登校の彼は、 「なんでこんなことになったのか?」 「しんどい、どうしたらいい?」 と、何度も何度も口にする。 心療内科に「何か」を求めたが、「まずはゆっくり休みましょう」であった。学校を休むことは決めたけれど、彼の不安を取り除くには不十分だった。 そして、親にも彼の不安を取り除く言葉はなかった。 「もう何回も同じような話をしているよね。お母さんもどうしたらいいか分からないから、専門の先生に話を聴いてもらおう。学校とは別のところにもスクールカウンセラーさんに話を聴いてもら

          子どもが不登校になった時に、親の私が相談したところースクールカウンセラー

          子どもが不登校になった時に、親の私が相談したところー心療内科

          高校生の彼が学校を休み始めた時の彼の絶望的な声を聞いた時、これはすぐに解決できないと直感した。 休み始めて3日目、心療内科を受診することを彼に提案したところ、前向きな答えが返ってきた。 初診のweb予約の備考欄にしっかりと状況を記載したのがよかったのか、1週間後に受診できることになった。 先生の診断は「適応障害」 ゆっくりと話しを聴いてもらいたかったが、時間がないことがこちらにも伝わるような話し方で、親子共々ガッカリした。 よかったことは、早めの診断で、診断書が学校に提出

          子どもが不登校になった時に、親の私が相談したところー心療内科

          不登校の高校生の彼の「親それぞれの気持ち」

          彼の不登校がはじまってから、彼の父親は大きく見守っていた。 「無理をしない」「無理はさせない」というのが不登校への対処方法。 それを理解しようとし、彼の「学校に行かない」気持ちを尊重していた。 当初は元気になることだけを願っていたが、 決断に迫られた時、 「時間はかかっても、いつか今の学校に再び登校する」に気持ちが傾く父親 「今の高校は辞めて、通信制高校に転校する」に気持ちが傾く母親 と意見のすれ違いが浮き彫りになった。 留年が決まり、 彼は、通信制高校へ行く気持ちを固め

          不登校の高校生の彼の「親それぞれの気持ち」

          不登校の高校生の彼の「通信制高校を決めるまで」

          「学校を辞めて、通信制高校に行きたい」 この言葉から始まった不登校。 彼は当初から通信制高校への転校を考えていたようだ。 そんな彼は、時々、広く名の知れた通信制高校の名前を口にしていた。調べてみると、とても魅力的で様々な経験ができる高校であった。 我が家から通学可能な範囲にサポート校があるので、転校を視野に、彼とこれからのことを話した。 できれば週5日通学したい できれば大学に進学したい サポート校で、彼の希望は叶いそうだ。 ただ週5日通い、大学進学のサポートも受ける

          不登校の高校生の彼の「通信制高校を決めるまで」

          不登校の高校生の彼の「決断」

          彼にとって大きな決断が二度あった。 一度目は、「定期テストを受けるか受けないか」だ。 学校には全く行けそうにない。 ただ、定期テストを受けないと評価は各段に悪くなる。 様々な大学入試の方法がある中で、高校1年生の評価が大事になるかもしれない。そういうことが分かっているので、それをここで放棄していいのかと葛藤している。 「どうしよう、どうしよう」 少しでも楽になるようにと高校に相談して「別室」を用意してもらえることとなった。 定期テスト前日 「あああああ」文字通りの言葉

          不登校の高校生の彼の「決断」

          不登校の高校生の彼の「親の決意」

          「今の高校」は、地域の中での進学トップ校では決してないものの、それなりに大学への進学実績がある。 大学進学を目指す彼にとって、「今の高校」は、同じ目標を持つ同級生とともに勉強できる。課題をこなしていくのは大変だが、しっかりと進めていけばそれなりの学力はついてくる。 部活にも真摯に一緒に取り組める仲間がいる。そんな仲間とのつながりは人生において大きな財産になる。 そういう良い環境が「今の高校」にはある。 ほとんどの学生は上手く、または良い意味で適当にその環境に合わせているのだ

          不登校の高校生の彼の「親の決意」

          不登校の高校生の彼の「親の葛藤」

          1日が過ぎた。 翌日の学校をどうするか確認したら、「行けるかもしれないから、7時に声を掛けて」と言う。 その言葉に期待をするが、翌朝の彼は起きるのも辛そうで、学校の話はできなかった。 私はもう一日、仕事を休んだ。 暇さえあればゲームに動画視聴にスマホを触っていた彼が、ずっとベッドで過ごしている。スマホは見ているようだが、ただ眺めているだけのようだった。 時々話しかけてきて、ぽつりぽつりと今の気持ちを伝えてくれた。 「しんどい」状況から離れるために、部活を休部すること、大学受

          不登校の高校生の彼の「親の葛藤」