実はKEMO CLUBの音響を変えたのに誰も気づかなかった件
KEMO CLUB、みなさん楽しんでいただけて何よりです。スタッフの響音カゲです。
さて、前回のKEMO CLUB、何か変わったことはありませんでしたか?
・ライティングが床に照るようになってきれいになった
・初の人間DJが来た
確かにそうですね! 色んな人に言ってもらえて嬉しいです。でも、まだ誰も気づいてないところが1つあります。
「音響」が大幅に変わっていたのです。
音響改善は、ワールド側と配信側のそれぞれで取り組みをしています。何をしたのか、順に追っていきましょう。
①今回の音響に合わせて音がステレオ化した
以前のKEMO CLUBの音響は、音のステレオ感で酔ってしまわないよう、方向性をなくし、ほぼモノラルに近い音源の流し方をしていました。
ワールド上での音の流し方を工夫した結果、向いている方向で聴こえ方は変わらないまま、ステレオ化を実現しています。
ワールド制作者、兼主催のSORAMIさんの技術力と手腕が光ります。
②空間に合わせたサウンドメイクをした
以前のKEMO CLUBの音響は、DJの音をそのまま流していました。
DJミキサーから出た信号は、本来スピーカーで鳴らされることを想定した音づくりになっています。空気や部屋を通すと、音響にもよるのですが音は多少マイルドになります。
しかし、VR上ではイヤホン、ヘッドフォンで聴くため、空気や部屋をあまり通さずに音が流れます。環境によっては、耳に負担が掛かりかねません。
ましてや、4時間5時間ぶっ続けでイベントに参加するわけです。VRChatでは話し声も多少聞き取りづらいため、ヘッドフォンの音量はついつい上げがちになります。耳へは少なからずダメージがあることでしょう。
そこで、配信途中でエフェクターを利用して部屋鳴りや、スピーカー鳴りを擬似的に再現することにより、
・耳への負担軽減
・スピーカー感による野外フェス的な演出
・VR上での空間表現
を実現しています。
(Twitchが埋め込めないのでリンクで……)
VR上という技術的制約もかなり強かったため、高価な機材やエフェクターは一切使っていませんし、ググれば出てくるぐらいの加工しかしていません。
実際にワールド上でDJにお願いして音を流しながら、響音カゲが微調整する、というのを繰り返して音響を作っています。同じエフェクターでもモノによって掛かり方が違うので、何種類も切り替えながら色々な曲でテストしています。
最終的には、ジャンル問わず、無理なく自然に聴ける環境が作れたと思います。ただ、箱鳴りという個性を残している以上は向いている音源はあるようで、音数の少ない音源や、ボーカル曲、ピアノは特によく映えます。
結果として、DJや普段から音楽を聴いている人がいっぱい来ている中でも、誰にも気づかれないぐらい空間に溶け込むような、自然な音作りができました。
VR上での音響のありかた
VRChatやFortnite、clusterなど、仮想空間でのフェスやイベントは少しずつ広まっています。しかし、そこでの音響のあり方というのはまだほとんど話題に上っていません。
VRChatでも、制約の中でどうやって良い音質の音楽を届けるかが課題となっています。VR空間上で「音を楽しむ」という目標に立つと、単に立体音響にするだけではない音作りが求められます。
ワールドのステレオ化と、音響エフェクトの追加により、KEMO CLUBでは一気に音のクオリティアップを図っています。
正しい音を見せるのではなく、魅力的な音の演出を聴かせる。
KEMO CLUBでは最高の体験を目指して、音、空間を含めたクラブの演出を工夫しています。
最後に宣伝です!
次回のKEMO CLUBは10/17です!
Illustration by Freepik Stories
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