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ひびきはじめ
2020年4月30日 12:32
怪談琵琶湖一周より 消えゆく者たち その一 (時代と共に忘れ去られそうな話) 昭和三十年代のある冬のこと。 雨合羽を着、長靴を履いた六十がらみの男がひとり田んぼ道を歩いていた。 男は皆から竹やんと呼ばれていた。 まだ正午を過ぎたばかりの時間であったが、昨晩から雪が降り続く荒天のせいで夕方のように暗かったという。 〇〇村の辺りは、雪は地表に積る前に琵琶湖から吹き付ける風に吹き飛ば