公園でいつも会う美少女に告白して恋人になる話

「やぁ。こんな日も出てない時間から活発的だね」
 
「ん? 私かい? 私は……まぁ、色々あるけどまぁ一つ言うなら、君に会うためかな」
 
「おや、照れているようだね。ふふっ、結構純情だったね、君は」
 
「ほら、冷えるだろう? これをあげよう。ほっかほかのコーヒーだよ」
 
「……苦いのは苦手? 文句は言うものではないよ? 特に美人からの持て成しなら尚更だ」
 
「自分で美人って名乗るのかって? 勿論、私は自身の容姿が優れているものだと自覚しているからね。この艷やかな銀髪と出るところは出て締まるところは締まったモデル体型。街を歩けば老若男女誰もが振り返る美貌の持ち主。それが私さ!」
 
「……冗談だよ。頼むからそんな困った様な笑みを浮かべないでくれ」
 
「否定はしない? ……そ、そうか。いや、多少盛ったとはいえ、褒められるというのは悪い気分はしないな、うん」
 
「しかしまぁ毎日欠かさず走っているけれど、良く飽きないものだね? いやまぁ、健康な体作りを心掛けるのは非常に素晴らしいし、感心するけれども」
 
「とはいえ、体調が優れないときは素直に休むんだよ? どんなに健康に気を遣っていても風邪をひくときはあるからね」
 
「……私に会えるから飽きないし、会えないと寂しいから風邪もひかない、だって?」
 
「……」
 
「……な、なななななにをいっているんだいきみは?」
 
「初めてあったときから一目惚れだった……いつもこの公園にいると聞いて、会えないかと思って毎日走っていた……」
 
「……ふ、ふふっ、君も冗談なんて言えたんだね?」
 
「わひゃっ!? ど、どうしたんだい急に肩を掴んで!?」
 
「……付き合って、ほしい?」
 
「……」
 
「……」
 
「……そ、そんな真剣な瞳で見つめないでくれ……は、恥ずかしいだろう……」
 
「……」
 
「……」
 
「……その」
 
「さっき、君に会うためだなんて冗談めかして言ったが……」
 
「ほんとは、毎日君に会いたくてこの公園に来ていたんだ」
 
「……私はロシア人の母と日本人の父のハーフなんだ。この銀髪は、母譲りのものなのさ」
 
「おしどり夫婦で有名な両親だったんだけど……最近、喧嘩ばかりしていてな……家にいると息が詰まりそうで、苦しいからこの公園に来ていたんだ」
 
「そんな時に、君が走っている姿が見えて……その、かっここいいなって……」
 
「わっ……急に抱きしめるんじゃないよ……びっくりしたじゃないか……」
 
「……」
 
「……」
 
「……」
 
「……君が、良ければだけど」
 
「……これからも私に、会いに来てくれるかい?」
 
「……」
 
「……ありがとう」
 
「んっ……」
 
「……ふふっ、初恋の人に、初めてのキスを捧げられるなんて、夢みたいだ」
 
「……夢じゃない、か」
 
「……じゃあ」
 
「夢じゃない事を、もっと証明してくれるかい?」

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