【絵本原作95】ねこのいえでまゆげ

1
はいいろのねこのまゆげ つめでポロポリポリ
みずたまりに うつる じぶんのまゆげをみて
「もうすこし みじかければなぁ」と 
つぶやきました

2
ポリポリポリ
つめで まゆげを ポリポリポリ
「みじかくなーれ」
そのとき やさしいかぜが はなをくすぐって

3
びへっくしょん!

(つめがつよくあたって まゆげが ぬける)

4
あれまぁ まゆげが ぬけちゃいました
「たいへんだ ひっつけないと」
ねこがあわてて おちた まゆげを 
ひろおうとした そのとき

5
「まぁまぁ ねこさん たまには おでかけさせてよ」
なんと まゆげが しゃべりはじめました。
「おでかけされたら こまるよ もといたばしょに もどって」
「まぁまぁ ちょっとだけ ちょっとだけだから」
しかたがないので まゆげをおでかけを させることにしました。

6
「まぁまぁ なんて すてきな くさばな おはなししてみたかったの」
まゆげは くさやはなと たのしそうに
おしゃべりをしました


7
「そらはおおきいなぁ くもにも まゆげあるのかなぁ」
まゆげは そらをみあげて いいました
そのとき だれかがちかづいてきました

8
それは しろねこでした じめんをみながら 
キョロキョロしていました。
「あ しろねこさんだ」
はいねこは かおがあかくなりました
それをみた まゆげは 
「まぁまぁまぁ」と からかうようにいって
しろねこのほうに とんでいきました

9
しろねこは まゆげをみて いいました
「あら こんなところにいたのね」
そして しろねこのまゆに 
はいねこのまゆげが くっつきました
「あっ なにしてるの」
はいねこは あわてて しろねこにちかよりました

10
「しろねこさん ごめんそれ ぼくのまゆげなんです」
「あら そうなの? それなら わたしのまゆげはどこにいったのかしら」
どうやら しろねこも まゆげがどこかに いってしまったようです
「いっしょに さがしましょう」

11
みずたまりを とおりました
しろねこは みずたまりにうつる
じぶんのかおをみて いいました
「このまつげ ながくていいわねぇ」
「え そうかなぁ?」
はいねこは てれくさくなりました

12
はいねこと しろねこは うろうろとしていました
はいねこは しろねこについた 
まゆげにききました
「ねぇねぇ ぼくのまゆげ しろねこさんのまゆげはどこにいったのかしらないかい?」
まゆげは なにもいいません
「おなじ まゆげなんだから こころあたりはない?」
これにも まゆげはなにもいいません
「なんで なにもいわないんだよぉ」

13
しろねこは くすくすわらいました
「まゆげにはなしかけるなんて はいねこさんって
おもしろいわね」
「え いやぁ」
はいねこは はずかしくなりました
そのとき かぜがふいてきました

14
はいねこの まゆになにかがくっつきました
「あ! わたしのまゆげだわ」
「え!」
はいねことしろねこは まゆげこうかんをしました
しろねこは ひとあんしんしました

15
しろねこは はいねこをみつめて
「はいねこさんに にあってるわ 
すてきなまゆげね」と やさしくいいました。
はいねこは かおをあかくして
まゆげを ポリポリかきました

















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