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240613 「おうちが喜んでる」

長男の妊娠中に仕事を退職して以来、ずいぶん久しぶりに外で仕事をしようかな、と思った。

幼稚園時代には多いときで週4回療育に送迎していた、なかなかに手も時間もかかる長男を育てていたので、外で働こうかな、と思える日がきたことにも、我ながら驚いていた。

今までまったく考えていなかったけど、近所で、週2回くらいだったら毎日の生活にメリハリができていいのかもしれない、と思った。

それから、彼が小学校に通っていろんな苦手なことに挑戦しているのと同じように、母親の私が新しい仕事に小さくチャレンジするのも、彼にとってもしかしたらいいのかな、と思ってのことだった。
(登校前は、小さく口を尖らせて、お母さんとゆきの(飼い猫)は家にいっつもいられてうらやましいな、いいな、とよく言われていたので)

夫に了解をとって、次は長男へ。

お母さんが近所で週に2回くらいお仕事をするのはどうかな?と聞いたところ、青天の霹靂、とでもいうように、もう可哀そうなくらいに動揺して、彼なりに、あらゆる引き留める口実を一生懸命に並べて、大反対された。

彼の後ろに「オロオロ」という字が見えるくらいあまりにも不安そうな、どうしてよいかわからない様子で動揺する彼をみて、すぐ、まだ全然その時期じゃないんだ、家に私がいることが彼にとっての大きな安心材料なんだ、とわかった。

もちろん驚かせてしまって可哀そうでもあったけど、何とかして阻止しようと彼なりにいろんな不安要素を列挙してやめさせようと頑張る彼がほほえましくも可愛くもあった。

すぐに、大丈夫、ごめんね。お仕事は家でだけするよ、もしかしてお母さんにお外でお仕事をしてほしいという気持ちもあるのかな?と思って聞いてみたけど、あなたの気持ちは分かったから、このお話はもう終わり。家にいるからね、と話して、安心してもらってからその話は終わりにした。

翌日、たぶんまだ不安だったんだろうと思う。
朝起きてくるなり、お父さんにも(反対してもらうために)仕事のことを話したら?と言ってきた。
もちろん夫には一部始終を話していたのだけど。

お父さんにももちろん話したよ。
でも、昨日のあなたとの話で、もうそのお仕事はしないと決めたから大丈夫。
お仕事は家でするよ。
お母さんはいつも家にいるよ、と伝えた。

そうしたら、彼のまわりの空気がキラキラ光るくらいの、ふわーっとした幸せそうな笑顔になって、
「そっか、よかった、おうちが喜んでる!」といった。

おうちじゃなくて、あなたがぴかーっと喜んでる、と思ったけど、彼にとっては安心する家と、お母さんが、イコール、もしくはセットなのかもな、と思った。

年齢的に遅めの妊娠、出産だったから、主に体力の面でもう少し若いうちだったら、と思うときもあったけど、やりたい仕事への挑戦や勉強を悔いなくできたあとでよかったのかも、と思い直した。

もっと若いうちだったら、思うように仕事ができないことに、焦ったりしていたのかもしれない。

母に、あなたたちは、年齢を重ねて、気持ちの上でも余裕をもって、あの可愛い子を最優先にしてあげられる、一番いいときに授かったのよ、と何度も言ってもらっていたけど、今日、本当にそうだな、と思った。

たまに、若いお母さんじゃなくてごめんね、なんて思うときもあったけど、これからはそれは思わないでおこう。

必要としてもらえる、そばにいてほしいと思ってもらえる日々があとどのくらいなのかわからない。
一回り年上のお友達からはあっという間だから存分に味わってね、とも言われている。

彼が独り立ちしていく日を想像すると嬉しくもあり、少し寂しくもあるけど、今の、何よりも誰よりも必要としてもらえる喜びや幸せをちゃんと覚えておこう。

そんな風に思った出来事だった。

読んでくださって、ありがとうございます。
今日が気持ちのよい一日でありますように。


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