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私は鰈だ。泥にまみれたい。

ヨゴレになりたい


不潔になる。2020年の私の新年の抱負だ。
この時は、ちょうどコロナが流行り始めた時で実行できなかったが、最近になって少しずつ行動に移してきた。

私は軽度の潔癖症だ、他人にはベッドに座ってほしくないし、吊り革を触った後は手を洗いたい、家に帰ったら、家用の服に着替え、寝る時はまた着替える。

面倒くさいし、手を洗う回数が多いせいで、肌が乾燥している。なにより、常に細かいことに気を使っているのは精神衛生上よくない。
そこで不潔になろうと思い至ったのだ。

最初のきっかけを作るのは苦労したが、思わぬきっかけで、不潔への道の第一歩を踏み出すことができた。恋人との同棲だ。

みなさんにとっては小さな一歩だが私に、私にとっては偉大な一歩だ。

不潔道


私のパートナー(以下、私パ)は、私に気を使い、一般平均よりも少し潔癖よりに行動してくれている。本人は完璧のつもりだが、潔癖セミプロから見れば、随所に爪の甘さが見受けられる。
しかし、それが奏効し私は徐々に不潔に慣れてきた。
ここに直近数ヶ月の私の偉業を記したい。

・一度着た服を寝室にあるクローゼットにしまうことができた
・ベランダにサンダルで出た後、足を洗わずに就寝できた
・外に持っていたノートを自宅内でも使用できた
・私パが外出着のままソファに座っても平静を保つことができた
・買い物袋を自宅の床の敷物がない部分に置くことができた

どうだろう?恐ろしくワイルドではないだろうか。
私の豪放磊落な一面をご紹介し、承認欲求が満たすことができて、満足である。

このように、私は順調に不潔への道を歩んでいる。コロナにより頓挫した私の2020年の抱負は、3年の時を経て、再始動したのだ。不撓不屈である。

軽度とは言え、潔癖症にとっての不潔とは、なんら害がなく、益しかないものだ。
・清潔過ぎないことにより免疫強化
・気にしない姿が格好いい
・荷物が減る(着替えの必要が減る、ウェットティッシュの買い置きが減る等)
・手がスベスベになる
・人を家に呼べる
・細々としたことを考えなくて精神が安定する
ざっと挙げただけでも多くのメリットがあり、特に最後の精神安定はなにものにも代え難い

一度諦めたことでも、環境が変われば再チャレンジを成功させられることもあることと、自分で変わることができない場合は環境(今回は私パ)を利用する手もあるということは、他のことにも活かせる学びであると思う。

今後も不潔への求道を極めていきたい。

好かれる時期が、誰にだって一度ある。不潔な時期だ。
太宰治


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