24卒大学生、大学生活を振り返る~高校卒業篇~
ぎりぎり卒業できた高校生
高校生、2020年3月頃、私達24卒の民は高校の卒業式を迎えた。その頃はもう、コロナが猛威をかなり揮っていた。
「今日の朝、教育委員会から卒業式を取りやめるように言われたらしいぜ」
そんなクラスメートの声が聞こえた。本当かどうかは分からない。それでもかまわん。私達には関係なかった。もう始まることは決まっていたのだし、コロナごときが私たちの苦しくも青く美しい幕引きを邪魔することはできないのだ。
そう思って、卒業式に参列した。
「おい、みんなマスクしてる!すげえ。笑ってはいけない卒業式だな」
入場直前、全員大人しくマスクを着用した保護者席を見て、クラスメートたちはくすくすと笑った。生活背景も性格も何一つ揃わない約100名が「コロナには屈しない」という態度で堂々と座っていたのだ。あまりにも異様な光景に、笑わずにはいられなかった。
世間では謎のウイルスが流行っていて、どうやらそれが中国由来であるらしいということしかわからなかった。じきに無くなる。インフルよりもしょぼい。長くても一か月程度しか流行らないだろうと楽観視していた。
そう、この頃は思いもしなかったのだ。
このウイルスが良くも悪くも世の中を変え、大学生活の半分を蝕むような存在になろうとは。
(入学式編に続きます。近日公開)
作:相見美緒