架空の関係性

私たちは毎週火曜日にドトールで一時間互いに本を読み、その本から気になった語彙や、調べた語彙、お気に入りの一文などを発表し合う。それだけの関係性を私たちは一年間続けている。
『つらいと感じることは、こんなにもつらいことだったのだ』
「この一文がすごく好きだった。小説家やお笑い芸人はありふれた感情をいかにオリジナリティを持って言語化するかだろ?又吉さんはこの一文で言語化できない感情を言語化したように思う」
「そしてこの後に『つらいという言葉や概念を理解してもつらいことの強度は減らない』と続くんだ」
「それはどれくらいつらいかの尺度ではなくて概念をぶつけている気がする」
冷めたコーヒーをひとくち啜って、彼の眼の中の光をみつめる。今度はノートをめくって私が綴った文字を口にする。

ふっと思いついた架空の関係性

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