タイパク8話 オンリーワン

ワーストワン!

新情報が片手で足りるほどで話が進んでいないとか、読者へのレスポンス兼擁護にまた不毛なページが裂かれた…とか今週も新規性がなくただ酷さだけがある凪のような回だった。そこで今回は突っ込みは控えめにデータでタイパクを見ていこうと思う。

独白率

台詞を吹き出しの数で測定して哲平がどれだけ独り言を言っているか見てみよう。多少の数え間違いは許してほしい。

第一話…254/378(0.67%)
菊瀬編集が出たあたりで大分会話になっているが『おもしれぇええええ!』以下でやはり独壇場となった。

第二話…120/163(0.74%)
宗岡編集との会話を考えても心中の声や自己弁護に結構な枠が割かれている。

第三話…109/187(0.58%)
イツキちゃん大奮闘!しかし文字数は哲平の方が遥かに上である。こいついつも早口で言い訳してんな。

第四話…79/180(0.43%)
少ないと思ったアナタ、この回は登場人物6人ですよ…

第五話…69/159(0.43%)
哲平のセリフ数が少ない回はイツキちゃんが尊厳を破壊されている。

第六話…80/182(0.44%)
今週も6人いるはずなんだけどなァ

第七話…96/101(0.95%)
哲平以外の台詞:ダッ ダッ ダッ ダッ フューチャーサンダー!

8話も7話とほぼ同じだ。そこで別の視点から見てみようと思う。

今週の作画コストめっちゃ低くね?

まずは以下のデータを見て欲しい。
総コマ数69
哲平の顔ドアップ25
哲平が映ってるコマ37

コマ数はいつもの7割ほどだ。これは状況説明や場面転換などのコマを差し引いても全体的にコマのサイズが増えていることを示している。ちなみに同様の条件が揃っている7話もこんな感じだ。

7話との差異は背景の数が見るからに減っている。つまり哲平を背景ごと移す…というコマが大分減っているのだ。

基本は哲平のアップで凌ぎつつ、レンジ自体はコピペで賄える。場面転換はしないし、独りで苦しむ7話と違い砂鉄との対話なので背景もほとんど映らない。今週の話は非常にローコストで構成されている。

作り手にも自覚があるのか哲平とレンジを横からみたり上から見るなどの虚しい努力がされている。まず暗い背景に心中の声が吹き出しなしで表示されるのが頻発する根本的な読み辛さをどうにかして欲しいものである。これだけ余裕があれば表紙も書き込める。表紙は哲平以外は非常にクオリティが高いと感じた。

私で見たくない漫画

作品の見方を根本的に二通りに分別すると私と彼(彼女)になる。主観と客観だ。

より豊かな体験を得るなら当然私で見れる方が良い。最近は私として没入できた場合に手厚い接待を受ける事のできるタイプの作品も一定のシェアであるので尚更だ。

ナーロッパの話が続くがこの接待作品が抱える欠陥として彼で見たくない、というのがある。一歩引いてみるとアニメ化されるような一部にだけ人気作品は大抵の場合杜撰な世界が広がっている。

この見方でタイパクはどのように説明できるかというと、私以外で見れない作品だ。とかく世界を俯瞰する要素がない。ホワイトナイトはどんな漫画か分からないし基本は執筆部屋で完結する。安楽椅子探偵ものだったのか?

外の情報がない事に加えて、上で示したように狭い世界をひたすら主人公を通して観察する。ほとんどの情報や状況は哲平が解釈したものでしか見れない。例えば未来人の思惑だ。哲平は盗作が前提で全て仕組まれていたかのように語るが、未来ジャンプを送ったら次の日には編集部に見せるなんてフューチャーサンダーもそうそう予想していないだろう。

哲平の考え方に違和感がなく、哲平が好きな人間にしか作者の示したいものは見えてこない。いや伝えたいことなどないのかもしれないが。

主人公を通してしか見れないのに、二重三重の罠からそれに拒否反応を示してしまう人は少なくないだろう。明確な欠点だ。

ダメ出し

恒例なのでやっておく。

「だから代わりに誰かが描くために俺のもとにジャンプが」…さも盗作が当たり前のように言われても困る。フューチャーサンダーさんだって死なせたくないなら盗作を続けろとしか言っていない。本来は叙述トリック的に機能するシーンだが、盗作の合理化というこの漫画の最大のクソ要素の文脈でしか見れない。

「新作に勝て…?」…デスゲームばりの雑な勝利条件。アイノイツキの尊厳がまた破壊されるのか

「お金は全部何かの方法でアイノさんに返すんだ!」…4ページかけて哲平はWKから利益を得ていないというアンチ君への言い訳が入る。そんなの要らないし、負債設定や粗食にしてもそうだがWKを読者に届けるって言う大義名分と矛盾していくのが知能足りてない。
1話の頃は、哲平の妙に昭和生まれのような泥臭さは昨今の合理的でない努力を評価しない風潮に則って、哲平のワナビー要素をほきょうするものだと思っていたが、原作者のセンスが古臭いだけなのかもしれない…

「俺が勝手に始めたことだ!俺の責任だ!」…責任から逃げるなよ

「この世界からあの物語を消したくなかったんだ」…じゃあコピペしろ

「でも続きを描くなんて無理だよ!」…いつか来なくなることは可能性として考慮しない方が頭おかしいので覚悟と責任がなさすぎる。貴様ァアアアア!責任から逃げるなァアアアア!こいつほんとに25歳?

「アイノイツキなら…」…自傷して血の滲む努力をする(物理)とはね

希望的予測

やたらローコストなの打ち切り宣告されたからだったりしない?ないか。



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