タイパク6話 解体新書

例のあの漫画の6話を初見で読んだ感想は今週はクッソ地味でつまんねぇなというものだった。パクさんこと哲平さんの人格評価値を下げるような出来事はあまりないからだ。いや肉食わないだけでムカつきはするのだが5話までの毎週底値を割り続けるような事はなかった。

しかし冷静に作品を見る方々の屈託のない事実陳列罵倒を見るうちに6話はタイパクの抱える構造的欠陥が如実に現れる言うなればクズ総集編になっているのでは?という考えに至った

こんしゅうはそんな戯言。お付き合いいただきたい。

1分で分かるTPGW

編集が用意した〜分で分かるシリーズで本編の前に1ページ使って描写されている。とりあえず得られる情報をまとめてみよう。

ここではこんな方法を使ってまでミスリードする炎上商法はあり得ないとの仮定に基づき、このような認識で編集と原作は作品を描いているとみなす。

1、W主人公制である…アイノイツキはパクさんの持ち上げ要因ではなかった
2、「代筆」の使命…頑なに代筆と言い続ける
3、真実を打ち明けるも信じてもらえず託された…ずいぶん受ける印象と違うが3話はこのつもりらしい
4、週刊連載の代筆が始まった!…代筆にはもう突っ込まない
5、代筆の重責、凡人としての葛藤、過酷な環境…凡人としてというより罪人として葛藤して欲しいし、過酷アピールがくどい。コピーしろよ最初から。
6、しかしかきあげた!サクセス!

計算でやっているという人はもういないだろう。主人公は正真正銘の運悪く罪を犯してしまった善人なのだ。というか自己欺瞞系のサイコが主人公だったとしてそれをどう断罪しろというのか?絶対気分が良くない。

本編の情報量

これまであらゆる障害を即座に取り除く事でタイパクは負のスピード感を演出し続けてきた。23pにもなった今回のお話はどのような情報があるか?確認してみよう。ある特徴が見られるものには⭐︎をつけておくので共通点を考えてみて欲しい。

描写1:転送ジャンプの説明(2p)…こういうのは最初に調査しておけと思うが今回のお話に関わる事なので必要と言える。
描写2:佐々木哲平版ホワイトナイトは本編に及んでいない(5p)…3連続Cカラーがもらえてない(多分)だとか、アニメ化が予定より遅いなど。本人も認めている。
描写3:清貧アピール(1ページ半)⭐︎…ヘイトを買うつもりなら印税はしれっと使っているがどうやら使う気がないらしい。
描写4:アイノの成長(1ページ半)⭐︎…編集が一見悪いような描写もあったが世間に早く出た方が良いというのが主張だろうか
描写5:肉屋でも清貧アピール(1ページ)⭐︎…上司が肉食わずキャベツ食ってる職場って単純に嫌だなぁ
描写6:メガネ君が救われた(3ページ)⭐︎…そういうのやると思ったって方は多いのではないだろうか?自分は見た瞬間嫌な予定調和を感じた。
描写7:努力を重ねるアイノ(1ページ)…それはそれとして手を拭くための紙勝手に全部使うな。空気読めないって理由で虐められてそう。
描写8:哲平の懺悔(2ページ)⭐︎…自己憐憫
描写9:アイノへの支援・心配り(2ページ)⭐︎…コメントはあとで
描写10:アニメ化決定(3ページ)…2年半後に、悠長だなぁ
描写11:ジャンプが来ない!(2ページ)

以上の情報にタイパクの構造的な欠陥が全部詰まっているのでそれを次の話題にする。

構造的欠陥

欠陥1:合理化の脇の甘さ

まず主人公は法的には定義立証できないという方法で罪を犯している。罪というのはそれが倫理的に問題がある行為でかつ被害者が損なうものがあるという事だ。この漫画が犯している大きな失敗、それは主人公は常に状況を作る側として能動的に罪を犯す事だ。

これがまず擁護に相当難がある。というか無理筋だろう。少なくとも善人としてのパーソナリティにはまず一致しない。前述のW主人公情報を踏まえると一つの作品を通じて絡み合う二人の因縁というのをSFネタに絡めてやろうとしたのが時空盗作だったのだろうが、夢に出てきた先が全く分からない1話限定のネームをそのまんま描くという1話からしてなんだかおかしい構図を2話の罪の十字架によって穴として確定させてしまったと言える。

まとめると、初期構造が大きく歪んでいる。

画像1

欠陥2:おかしな擁護アプローチ

擁護できない上に擁護する箇所もおかしい。パターンに分類してみよう

擁護1、哲平の潔癖さをアピール…そもそも罪を犯す人間が潔癖だからなんだというのか
擁護2、罪を補う利益を生み出している…ジェレミー・ベンサムを降霊してから取りかかることをオススメする。被害者のアイノイツキは作品内の万の読者に勝るのでフィクションに用いる論法じゃない。
擁護3、被害者が被害届を取り下げる…これの理論武装も無理筋だろう。実際この作品は誤解から託すという方法に逃げた。

1は取り繕う所を間違えていて、2はそもそも倫理的に問題のある罪を取り繕う方法として不適切、3に至っては尊厳破壊という別の不快を引き起こす。

どうせならアイノイツキはかなりの狂人で主人公に独特な罰を下す…なんて久米田康治が描きそうな作風にした方が良かっただろう。<p style=“text-decoration:line-through;”>マイナー路線を目指せという事でしょうか?</p>

オマケに色々と独りよがりというか哲平さんの自己満足な側面が多い。今回の⭐︎マークに突っ込んでみよう。

清貧アピール…代筆を届けるのが義務なら食生活をしっかりしろ。バクマンの入院イベントみたいなことされてもウザいだけだしお前が肉を食わなかったらなんだというのか?
アイノの成長…すくすくと育っているが哲平は連載や創作上のアドバイスを一切していないし1年経っても環境一つ整えていなかった。まあ木端ワナビーにできるアドバイスもあるとは思えないが
救われたメガネ君…本家のフルパワーホワイトナイトで救われた未来人で相殺できそう。つーか絵柄による劣化があるならそれこそコピーで出せばいい。
懺悔…罪を告白しなかったのが悪い

今週もひっでえな。

欠陥3…W主人公なのに片方がもう片方に足を引っ張られまくっている。

哲平早く殺した方がいいよとポップ殺害みたいに進める編集はいない。編集仕事しろ。

欠陥4:ジャンプ至上主義

とにかくジャンプで連載する事に意味がある!という頭編集部な思想を哲平は強く抱いている。ジャンプ漫画だからってジャンプを実名で登場させてしまった事による大きな弊害だ。これのせいで哲平が他の会社に持ち込みしなかったマヌケになったり、コピーしてネットにあげないマヌケになったりいろいろと悲惨。

ジャンプを登場させるメリットがほぼないがそれによりお話が歪む量はすごい。これを通した編集への違和感も募ろうというもの。

理論展開の流れ

先ほどのを踏まえて全体の流れをみてみよう。

3話では被害者の喪失をはかった。この時点で罪は無くなったという認識なのか以後盗作というワードは1回も登場せず全て代筆になる。

4話では哲平の真摯さ、覚悟を演出した。コピーしろよというツッコミに対するアンサーがそもそもないので全体的に茶番な上擁護が9ページほどありないようが薄い、擁護抜けば5話と合体できんじゃね?

5話では読者ファーストとでも言うような価値観が大事という話をした。これも6話では熱量があってもコピー以下という事でムダになったが…

6話では話の時間軸を進めたのだが最大の問題は擁護に11ページ使っている点だろう。せっかくの5ページ増は全て言い訳に浪費された。

面白いのは主人公の実力は残酷なほど伸びていない、罪の擁護はやたら丁寧にしてくるのにこういうところは現実的である。どうしてそのバランス感覚をもっと他のことに活かせなかったんだ!

画像2

ページ増は炎上商法が人気の起爆剤になるかの試験だと思っている。これで誰が票を入れるのだろう?続きは見たいけどその続きの部分で作品が終わったって誰も困りはしないだろう。


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