タイパク5話 P.D.テッペイは転生者なのか?

PD(パクリでドクズ)

字面だけ、理屈だけ追えば佐々木哲平はクズではない!名誉欲に支配されているというのも言い過ぎだ!という意見を見かけたので、それを一つの見方とした時に対抗することになる別の見方を提示しておく。次に今回のPDポイントをおさらいした後に佐々木哲平なろう主人公説でもブチ上げて今週の雑感とする。お付き合いいただきたい。

正当化は可能か?否か?

罪を犯すな!最善な判断をしろ!…なんてことは創作物のキャラにさえ実現が難しい。というか完全な最適解を主人公が踏み続けた所で、それは主人公の能力によるものとして演出するのは難しく世界が主人公に偉く都合がいいだけだからという結論になりがちだ。世界に愛され続けた異世界転生者を見て気分が良くなるのは主人公に感情移入できた人間だけで私の物語としてしか楽しめないというのは構造的に欠陥がある。

最後には勝つとしても、道中では失敗やアクシデントがありそれによって精神的に成長をしたり、能力的には十分成せる事柄でもアクシデントの発生などで立案だけでなく実行する能力をも示す…などなど道は多少凸凹している方が良い。

では佐々木哲平の行った一連の行動は主人公の資格を損なうことはないのだろうか?まずは作中視点で哲平さんの辿っている道筋を確認しよう。

無自覚に盗作してしまう(1話)→盗作の事実に気づく、ファンレターからそれを待つ読者の存在に気づき盗作を始めた責任として読者に届け十字架を背負うことを決意(2話)→盗作されたヒロインは事情をよく把握せぬまま被害届を取り下げ託す(3話)→なるべく原作に近い作品を届けようとする(4話)→これまた被害者に好きに描いていいと言われたので絵柄のコピーを放棄、めっちゃ褒められる(5話)

まず手始めに筋が通ってるのは主人公の中でだけでなんとなく通っている気がするのは作中目線がほぼ主人公だからではないかという体で苦言を呈することとする。

哲平さんの盗作によってヒロインが奪われたものは漫画であるが正確には作ったキャラのアイデア・骨子が通った一連の作品の構想・作品に付随する名声と金銭・連載経験による試行錯誤からくる成長であり、主人公は代替して作品を届けたとしてヒロインにこれらの補償を完全には出来ないだろう。ここも完全を期す必要はないがヒロインに対して罪悪感をあまり向けずに「本来の作者も認める形でなければ自分の目的が達せられない」という風にしかヒロインと接することができないのは自分本位ではないのか?

加えて本来の読者に届けるという大義名分にしてもそれは作品として存在すれば良いわけなのでジャンプに掲載される必然性はないわけだしそんなに出したいなら原文をスキャンしてネットにでもあげればいい。これを指してジャンプ連載という自分の欲望もしれっと満たしてもいる!というのは少し言い過ぎな気もする。しかしこんな事で原稿料やら印税もらうんだろうし、無償を選択しないマイナスの印象を払拭するのは少し難しいのではないか?

これは何故ジャンプなのか何故漫画家になりたいのかという主人公のモチベーションの描写が欠けている事が大きい。正当化する事盗作を囲うことに腐心するあまり哲平だんのバックボーンが昔からまるで成長していないこと以外ほぼ不明なのだ。

また俺のホワイトナイトだ!というのも大義名分に反しているように見える。理屈の上では実はそうではなく、ヒロインはあくまで主人公の十字架がない時に作った読み切りは読者のためを思っていた!と評価している。つまり、模倣したホワイトナイトよりもホワイトナイトという作品を届けようとする気概の方が大事だと言っているのだ。これ自体は良い話な気もするが直後の哲平の俺のホワイトナイトだ!(煙シューw)のせいで自分本意な印象をここでも受ける。

ヒロイン目線で見ると勝手に作品他多くものを取られた上に自分の作品を他人のものとして認めさせられるとかいうとんでもない強制催眠尊厳凌辱エロとでも言った状態なのも読者視点からするとエゲツない。DL siteがてぐすね引いて待っているぞ。

大義名分自体の整合性のなさ、大義名分の破棄、ヒロインの処遇の3点を問題に挙げて終了とする。毎週それなりに理屈は通っているのだがそもそも罪がデカすぎる事とまるで自分を主人公だと思い込むようなヒロイックな描写が納得を阻害する。理屈は分かるがお前の態度が気に入らない

前もしたダメ出しだが読切掲載→連載決定は哲平が勝手に決めておいて勝手に罪の十字架背負ってるし擁護不可能なことも挙げておく。原作探すとか遅延させるとかいくらでもあんだろボケ。

今週のクズポイント

画像1

(原作では邪神ちゃんがゆりねをキチ○イ扱いするシーンなのだが)

まず大きいのは既に挙げたようにヒロインのとんでもない尊厳粉砕である。ヒロインの4話〜5話の精神的な動向についての考察を紹介する。

4話では主人公を手伝いつつ、自分の作品を大成させるためアシスタントになった。主人公は自分の絵柄を先取りしたような作画に訂正した。絵は上手いが魂がこもらず読み切りより劣化したことに複雑な思いを抱きながらお世辞を言ったら原稿を目の前で破られた。

5話では主人公が自分を同類と認め頼ってくることから先ほどの行動についての確信を得る。極端な形で望みが果たされた事で逆に過ぎた願いだったのだと思い直し、自分の認めた読み切りの時の作品を描けばいいこの作品はあなたのものだ主人公に指摘する(私のホワイトナイトを…絶対に許さないとか1話で言ってなかった?)

何の罪もない他人にここまでさせるのは主人公としていかがなものか?完全に作品取られちゃったよ

主人公は担当に書き直しの締め切りを1日にされたので一度はトレースでの作画を試みる件について、最初からそうすればいいけど気持ちが乗らないそれをやらなかったということになる。ちゃんと罪の十字架を背負えよ。

『俺の画柄で俺のホワイトナイトを…!』

意味不明。そもそも託されたのはヒロインが誤解をしたが故の言動であってその作品は1mmもお前のものではない。つけあがるな。

佐々木哲平なろう主人公説

根拠1、主人公が不遇…転生していい気分ができるように主人公は得てして不遇だったり人格の良さが強調されるものだ。この作品は維持には失敗しているし不遇も何もそもそも身の程を弁えないし多角的な手段も取れないボケワナビーな気もするがまあ見方次第だろう。

根拠2、障害の側から取り除かれる…わざわざ自分で切り開く必要などない、向こうから勝手にハードルが低くなる。実際この漫画でも盗作被害者が自分から来て勝手に作品を託すなどした。

根拠3、やたら褒められて批判者がいない…主人公に辛くあたったのは初代編集くらいであり最近は名声を得てばかり

根拠4、偉く都合の良い能力を持つ…レンジ

どんでん返し説

どんでん返しがあるかもしれない!来週も読もう!という意見は徐々に勢力を減らしながらも現存する。しかしわざわざ小市民をなろう主人公みたいに祭り上げておいて途中で梯子を外したとしてそんなものそれこそ本家なろうで既に試され大して流行らなかったジャンルなのではないか?

今更主人公が酷い目に合ったところで稼いだヘイトを上回って悲惨でなければ自業自得となるがそんな辱めを陰湿じゃない方法で与えられるかはハッキリ言って無理だろうし、成長しようもんならよりヘイトを買うし、だからと言って成長しないならしないで青年誌でやるような後味が悪い救いのない話である。

なにより現行は完全なサクセス系漫画家漫画なのでこのままいくとそうだと当て込んだ読者が困惑する事請け合いだろう。

クソアニメだって1クールなら見れても2クールは勘弁して欲しいもの、東京湾以来の10周打ち切りを達成してほしいというのは偽らざる望みである。来週起こるらしいまさかの事態を冷めた目で見つめながら今回の愚痴を終える。次回までごきげんよう。



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