デッドプール2

今更と言えば今更だが、そろそろ3やるしいいじゃない。みんなも見よう!


デッドプールって何者?

ググれ。アメコミのように深くて広いコンテンツの説明は間違ったことを言うリスクが非常に高いのでやりたくない。

しかし、ここからの説明に必要なことなのであえてリスクを犯し、表面的な特徴をさらってみよう。下品で、空気を読まず、常に喋り続け、あろうことかメタネタも多用する。能力が超再生なのでダメージを無視して刀と銃と格闘で暴れまくる…

エミュレートの難易度が高い!こういうキャラを流行りものをさらうのが好きなだけで中身スカスカのソシャゲとかで実装したら火薬庫の中で煙草を吸ったような騒ぎになること必死。

キャラクターに求められる魅力を正しく出力すること、そして否応なしに話の中心になるのに主人公としてどう動かせばいいか分かりにくくなることが課題になるのだ。

この映画はというと…与えられたミッションを正しくこなしている。ロジックに筋の通った脚本に、ユーモアのセンスを大さじ3杯分…ウヮーオ、名作映画の完成だ!

アカデミー賞いけるかな

作中の重要シーンより

R指定がハードルだな(主にスプラッタのせい)、でも本人の言うとおりこの映画は「ファミリー映画」なのでお話を清廉潔白なXメンに置き換えて主演はブラピでヒロインころしとけば全然いけそうな内容。

ゲーム性はGTAとほぼ同じなのに犯罪と暴力を抜いたゲームの方が沢山売れるのと同じ理屈だ。でも暴力も犯罪も娯楽でこそ見たいしやりたいものなのでこの映画はやはり面白いのだというのは強調しておく。

脚本

Q、軽口を叩きまくり◯人に抵抗がない主人公に必然性を与えるにはどうすればいい?

A、ユーモアが自分を奮い立たせる術になるほどの苦痛により必然性を与え、大事なものを喪わせて視聴者に感情移入をさせて、大きくて根深い問題に立ち向かう文字通りの"ヒーロー"にすればいい。

大筋を説明するとこうだ。これ以上は深くいうことができない。内容と順序が正しく並べられた脚本の隙間をどっぷり満たしているユーモアこそ面白さの残りの半分を占めているからだ。

どんなに辛くても結局は何か喋っている主人公が繰り出す面白ギャグを感想で言ってしまったら意味がない。

登場人物

当然サブキャラ達も魅力的だ。アクの強い主人公に対抗するために全員少なくとも気が強い。罵倒には罵倒で、差別には差別で対抗するガッツがある。主人公が主人公なので最後には主人公のペースに巻き込まれていくのだ。「他のやり方もある」とか「ここは良くない」みたいなヌルい賛否両論はこの作品にはない!(そもそも主人公の意見や方針自体は至極真っ当で間違えてるところがあんまりないというのも大きい。成長譚というよりは立ち直る話だから。)

…ファック

作中より、世界一優しいファック

今こそ汚い手を使う時だ

こういうこと言う割には言うほどピカレスクものではない。

あんたもうX-MENだよ

作中より

正義か悪か分からない!という話ではないというのもこの作品の"脚本の"真っ当さをよく表現していると感じた。ちょっとしたネタバレだが、作中でX-MENは死ぬほどイジられる。…やっぱアカデミー無理かも。

ギリギリを走行するも決して一線を越えない精妙なバランス感覚も感じる。人種差別や過度なポリコレをネタにした口で「ゲイっぽい」って罵倒が出なかったり。(サウスパークでよく聞いた悪口だがそのサウスパークでも最近は言わないのでこの表現は微妙だが)

これが上っ面の雑なエミュだったらしょうもない議員のTwitterパフォーマンスのダシにされてる所だ。

まとめ

今度3やるぞ!なんか今回言い回しが妙だが、ちょっと真似てみたくなるくらい面白かったってことで。

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