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写真を撮りたいなんて思ってなかった

私は1年ほど前から球場で写真を撮っていますが、それ以前は、学生時代に買ったコンデジが埃をかぶり、旅行に行っても撮る写真はスマホで数枚、そのくらい写真を撮ることに興味がありませんでした。

なぜ写真を撮るようになったかといえば、野球を見るのは楽しいことであると知ったのと、いわゆる「推し」と出会い、その姿を自分の手で形として残したいと思ったからです

写真に出会うまで

もともと私は絵を描くことが好きで、物心つくかつかないかわからないころから絵を描き続けてきました。野球にはまって、球場で写真を撮る人の存在を知りましたが、私は「絵を描く人」だという自負がありましたし、カメラは高価で沼が深そうなので、手を出さないでおこうと考えていました。

写真を撮るようになったきっかけ

ある日、野球好きの友達が「カメラ買った!」とTwitterに写真を投稿していました。そして、自分でもなぜだかわかりませんが、「あ、カメラ買おう」と思ってしまったのです。それまで全然カメラが欲しいなんて思ったことはなかったのに、一週間後には中古カメラ屋におもむき、店員さんに勧められるがまま、Nikonの一眼レフカメラと18-300mmの望遠レンズを購入していました。

推しという存在

私は野球にはまってから間もなく、「推し」という存在ができました。彼はとても小顔で、足が長くて、ふとした瞬間に違う世界に行っているような表情をする、とても美しい人でした。初めて見たとき、「こんなに美しい野球選手がいていいのか!」と、体に電流が走りました。プレーを見て好きになったわけではなく、完全に見た目だけで恋に落ちてしまったので、正直恥ずかしいですが……

絵では表現しきれないものを形に残したかった

これは写真を撮るようになってから自覚した思いだったのですが、私は推しの芸術的なまでに綺麗な顔とスタイルが好きで好きで、「その美しい顔を自分の手で形に残したい」と思っていたのです。もちろん絵も描いていたのですが、それでは彼の美しさを表現しきれず、物足りなさを感じていました。あの美しい人を形に残すには、写真でなければだめでした。ですが、ただでさえカメラ代やチケット代、交通費にお金がかかっていましたし、試合の中継を見たり絵を描いたりして時間も足りないと感じていたので、「これ以上手を広げるとお金も時間も際限なく溶けていくぞ」とその気持ちを押さえつけていたのかもしれません。

情熱は止められないものと知る

カメラを買ってから、自分でも驚くほどに写真の沼に沈んでいきました。重いカメラを抱えて、せっせと写真を撮る日々。夜行バスで12時間、電車で1時間、さらにタクシーで15分かかる、非常に交通アクセスの悪い二軍の練習場にも、写真を撮りに行きました。1人の人間を、ここまで突き動かす推しがすごいと思いました。そして、こんなに自分が情熱的に行動する人間であることに、自分自身も驚きました。

行動せずにいられないほど、熱中できるものがある人生は幸せだ

私はずっと絵を描くことが好きでしたし、野球にはまってからは辛いこともありますが、とても楽しいです。波はありますが、人生の中でも常に「大好き!」と言える存在がありました。ですが、そういった存在がない人がこの世にはけっこういるということを、最近になって知りました。それを思うと、行動を起こさずにはいられないほど大好きなものがある自分は、恵まれていると感じます。

球場は楽しいよ

「特に熱中できるものがない」という人は、球場に行ってはどうでしょうか? 歌うことでストレス発散をする人や、熱い気持ちになりたい人には特におすすめです。たくさんのファンと一緒になって応援歌やチャンステーマを歌うとき、得点したときの一体感や高揚感は、なかなか日常で味わえるものではありません。チケットの価格も、安い席なら2000円でお釣りがきます。贔屓の球団が負けたときの落胆はすごいですが、勝ったときの喜びもひとしおです。球場にはいろんなグルメがあるので、それを漫喫するのも楽しいですよ。イケメンの選手もたくさんいるので、「あの人かっこいい!」と楽しむのも一興。球場へ行ってみませんか?

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