朝夕慣れにし 学びの窓

落ち着いて書く時間をとろうとしていたらあっという間に卒業から1年が経っていた。
自分でもこんなに放置するつもりはなかったんだけれど。笑
卒業していった先輩方は口をそろえて「大学生は時間があるんだから」と言っていたが、当時は全然ピンときていなかった。
それが今、自分も社会に出てみてやっとわかった気がする。


やっと、最後には大学の話を。

大学での4年間で私は何を学べたのか。
そう考えてみたとき、一言ではまとめきれないくらいたくさんのことを学んだ。
大学に入学して1週間たたないうちに大学で過ごす時間が楽しいと感じ、それ以降の日々、毎日が本当に楽しかった。
大げさかもしれないが、大学に行きたくない日なんて、なかった。
だからこそ大学2年生の時に完全オンライン授業になってしまったのは寂しかった。

大学内を歩くと、季節が移り変わっていく様を感じられた。
桜が散り、暖かくなってくるとツツジやアジサイが咲き、夏休みを過ぎると青々としていた木々の紅葉が始まり、その葉が落ちて寒い時期が過ぎると、また卒業の頃には桜がぽつぽつと咲き始める。
特に用はなくても、学内の散歩は結構好きだった。
気温がちょうどよい晴れた日には屋外で過ごす時間も有意義だった。
今思い返してみれば、あまりにも大学に行きたすぎて卒業要件外の授業を積極的にとろうとしたところもあるのかもしれない。


以前もどこかで書いた気もするが、もともと通うつもりのなかった大学に通うことになったから、入学当初は本当にこんな楽しい時間を過ごせるとは全く思っていなくて。
入学式のときの、あんなに尖った気持ちを持っていた自分は気づいたらいなくなっていて。
たいして行きたい気持ちのなかった大学を母校と呼べるのだろうかと、きっと母校と呼べるほど愛着も何もわかないだろうと思っていたくらいだったのに。

ときどき、違う大学に通っていたらどうなっていたのだろうと考えたこともあったが、今となってはそんなことを考えることもできない。
ここでの出会いがどれだけ今の自分に影響を与えて、どれだけ自分を変えてくれたか。
この大学に通っていなければ今の自分はいないと、卒業した今だからこそ断言できる。
本当に、大学でのいろんな人の出逢いは、めぐり合わせは、必然だったのかもしれない。

今の自分にはやりたいことがある。
そのきっかけを作ってくれたのも、それを1番に伝えようと思ったのも、1番応援してくれているのも、大学で出逢った人たちだ。


もとから「学び舎」と言われる場所は好きだ。
それは児童だったときも、生徒だったときもそうだった。
1日の大半はそこで過ごすから。
自分の家と同じくらいか、それ以上の時間を過ごす場所であるから。
友が、仲間が、きょうだいと呼べるような人たちがいつだってそこにいて、師と呼べるような人が新しいことを教えてくれたり面白いものをみせたりしてくれるから。
でも学生になってからは学び舎がもっと好きだった。

今でもうまくことばで表せないのだけれど、落ち着く感覚がある。
あ、ここにいていいんだなって。
ここでなら自分らしく、自由に、のびのびと、やりたいことをやりたいようにやっていいんだなって。
誰もが自分の行動に対して肯定してくれているような、そんな環境。
何に制限されることもなく、思いのままにいていい場所。
それが自分にとっての “大学” というものだった。


いつだって学内を歩いているときは目に映るものが新鮮で、学年が変わればその観方も変わって、大学が置かれている状況が変わればその姿も変わった。
常に何かが変化しているさまを目の当たりにしているようだった。
その様もやっぱり面白くて。
それはきっと自分が大学での学びを経て、自分の中でも何かしらの変化が合って、その学びがあったからこその成長か視点の変化があったからなのだろうと考えると、大学で吸収するものすべてが楽しくて。
ずっとこうして生きていきたいといつも思った。
なんだったら今でもそう思っている。


結論から話すと、大学に行ってよかった。
この大学に行って、学生として過ごして、卒業してよかった。
もちろん試験が近づけば面倒だと感じたし、溜まっている課題の量が多かったり質が重かったりで取り組むのが億劫だと感じたし、毎年授業をとりすぎて(割と定期的に)頭がパンクしそうにもなった。
でもそれでいいと思っている。
自分のやってみたいことに、興味関心のあるものに手を伸ばしてみてよかった。
全部ではないけれど、大学生活でやりたいことはやりきったといえる。
やりきれなかったことは自分の身体があと2,3体ないと体力的に厳しかったと思うし、これでよかったと思っている。

今思い返してみても本当に楽しい4年間だった。
大学という高等教育機関でお世話になった方々に、そこに集い時間をともにした人たちに、その機会をつくった学び舎そのものに。
この期間にかかわってくれたすべてに、大きな感謝を。



ではまた。
ごきげんよう。

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