ひよわ

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〘 古屋兎丸展「 SCHWEIGEN -沈黙- 」/「 白昼夢 -WACHTRAUM- 」 〙∕ 2023.09.02 銀座ヴァニラ画廊にて

まず、本当に素敵でした。言葉を失うほどに良かった。それに尽きる。 これは"本当に素敵でした"を展開した、成分表示のnoteです。  ビルの地下にある画廊へ赴くのは初めてで、本当にここであっているのかしら……と恐る恐る歩を進めた。ビニールシートが敷かれた廊下の先に、年季を感じる階段と、2枚のポスター。  鮮烈な黒には「 SCHWEIGEN -沈黙- 」、朧げな白には「 白昼夢 -WACHTRAUM- 」の文字。  色と言葉の生すコントラストに目を奪われて、立ち尽くしてしまった

    • 「 ポリー my love 」∕2023.03.22 観了

       就活でへとへとになっており、ぼんやり見れて少し笑える、明るい気持ちになれるものがないかと考え、Amazonプライムにてあらすじからセレクト。  丁度こういうのが観たかった。大当たりでうれしい。  天真爛漫なポリーに翻弄されて、人生観までもを変えられてしまうルーベン。苦しみや無理も、一緒に居られないことよりはずっと良いんだろうな……。他の恥が霞むほど、恥ずかしいくらい愛してるのかな。  ポリーと過ごすうち、愚かしく思えるほど、笑われてしまうほど真っ直ぐになっていくのは、彼の

      • 夢日記。セーラーを纏う慈哀。

        皆が彼女を好いていた。皆というのは文字通り皆で、彼女を嫌う人などこの世に存在しなかった。 当然ながら、例に漏れず。 私も、彼女が好きだった。 真夏日。 熱を持ったプールサイドを静謐に歩んで、彼女は私の元へと降り立った。 静々腰を下ろし、足を浸していく。ちゃぷ、と軽やかな音を生んで、滑らかな肌は水面にぼやける。嘘みたいに白い。 その一際白く涼し気な薄月の肌と艶めく夜陰の黒髪、すらりと伸びた体躯によって。夏場の彼女は、いつにも増して光り輝いて見える。 故に。夏場は特に、彼女の

      〘 古屋兎丸展「 SCHWEIGEN -沈黙- 」/「 白昼夢 -WACHTRAUM- 」 〙∕ 2023.09.02 銀座ヴァニラ画廊にて