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いつかはバラになってみたい/ひとり交換日記

意地を張り通すことを決めたわたしへ!

泣きたいことは山ほどあるけど、今日も笑って過ごしたよ。

さっき、彼に似た人を見かけたのです。
足早に追い越してこっそり振り向いたら、やっぱりというかもちろん彼ではなくて、星の王子さまの一説が強烈に頭をよぎりました。
ほら、いちばんすきな絵本でしょう?

「僕は世界でただひとつの花といっしょにいると思って豊かな気分になっていた。でも、僕の星に咲いていたのは、どこにでもあるふつうのバラだったんだ」

そう。もしこんなところで見かけるような、どこにでもいる人だったなら。
どうしてあんなにもあの人でなければダメだったんだろう。

後になってみればそれは、反応してしまったのが身体だからだと思うのです。

頭で考えて考えて考え抜いてしまう性格だとしても、頭で考えて出す答えなんてたかが知れていませんか?
体温が上がったり、心臓がハネたり、勝手に涙が出ていたり、そういう自分の一挙一動に先に気付いてしまったら、もう手遅れなんです。

「だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだ」

街で見かけた誰かを見間違えるのは、今にはじまったことではありません。
日常に転がったあれこれを拾って、ふとした拍子に懐かしんでしまう時の幸福感に替えられるものもありません。

ですから、だからと言って、未来を諦めないでほしいのです。

小学校の卒業製作で作った宝物入れに、「後悔しない」という意味の英文を彫ったでしょう?
あれから、振り返った時に後悔のないよう今をやり尽くすことでなんとか自分を保ってきましたよね。

だけど、もう充分。

どんな形になっても満足してしまうその寛容さで、自分の首を締めないでほしいのです。
未来のためのまだわからない余白を、ちゃんと残してほしいんです。

大丈夫 と言い張れる意地は、もちろんあなたのいいところ。
でもこれからは、大丈夫じゃない と言える強さも持ち合わせてください。

じゃないと、ずうっと、いちばん欲しいものは手に入らない。

みんな、いくつもの同じようなバラの中からどうやって自分だけのバラを見つけるんだろうといつも疑問に思っていたけれど。
自分だけの特別は、自分で決めていいんだよ。手放さなくていいんだよ。そして、選ばれてもいいんだよ。

ああ、そういえば。
星の王子さまも、ウワバミの絵を持ち歩いて人に見せていましたよね。
あなたのウワバミの絵も「わかるよ」って言ってくれる人、ちゃんといるってもうわかってるでしょう?

だからまずは、咲いてみてください。見つけてもらうのも、それはそれでよし!
ほらちょうど、うららかな春だしね。

花粉症に苦しめられた、今日のわたしより。


原稿料代わりに・・!?