見出し画像

守り神は何人いますか?

私たちは一人では生きていません。
でも最近はひと同士が干渉しあうことを避ける風潮にあります。
AIや仮想空間が広がり、ひとの孤立化は加速しています。

あれは十数年前でしょうか。関東近郊にある女子大で教鞭を取っていた頃の話です。ゼミ生たちと電車で帰る途中、違うゼミ生の女の子が私に向かって、「先生の後ろには3人いますね。」と言ったのです。
最初、何のことやらわからなかったのですが、すぐに「背後霊?」と思いました。

若い時分、つのだじろうの『うしろの百太郎』という漫画にはまったことがあり、すぐに連想できました。
そうなると、その背後霊の正体で気になるものです。
でも、彼女は詳しい話はしてくれず、守っているとだけ教えてくれたような気がします。

話しはこれで終わりません。
その後、わたしは研究のため一年間の海外調査の機会を得ました。最初の九カ月はロンドンで、残りの三カ月は香港で暮らしました。
帰国後、しばらくして、また例の学生と会う機会がありました。
すると、彼女は「先生の後ろには2人ですね。」と言ったのです。
多分、海外に居たときに守護霊を一人置いてきてしまったようです。
その守護霊はもともと海外に暮らしていた人なのか、それともロンドンが気に入って、そのまま住み続けることにしたのか。よくわかりません。

ともかく、私の守護霊は2人に減ってしまったようです。
正直、私自身は霊感もないし、それによって何かが大きく変わったということもありません。もちろん、私自身の選択で、大学教授を辞めて新天地へと移住したのは事実ですが。

人は多くの人によって支えられています。それは人間だけでなく、ペットなどの動物、そして無数の微生物とともにあります。場合によっては先祖という話もあるでしょう。

私を守ってくれる神様が一人減ってしまったことは、もしかしたら、残念なことかも知れません。でも、守護霊の人数が増えたり、減ったりするということを初めて知ったのは新たな発見でした。

守護霊の数。増やそうとしたって難しいでしょう。多すぎてお互い喧嘩になっても困りますし。自然に任せます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?