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ウェイクアップ・ネッド......アイルランド映画

ダブリンを訪れる機会があって、アイルランド映画を何本か見直した。
その一つ。1998年の作品。

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Waking Ned (1998)

邦題:ウェイクアップ・ネッド

ストーリーには触れないが、設定はアイルランド南部を舞台とする。ある目的でダブリンの都会からやって来た人が、鄙びた漁村の住人に翻弄される。

この映画で描かれているのは、ダブリンの都会と地方の漁村との温度差のようなものである。アイルランドの大自然と、教会を中心とした村落コミュニティの姿が映し出される。

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タリーモア

作品に登場する架空の村 "Tullymore" のロケ地は、英国の王室属領マン島南西端の "Cregneish" であるという。
出典:https://www.movie-locations.com/movies/w/Waking-Ned.php

2019年3月に、アイルランド南西部の港町 "Dingle" で開催されたディングル国際映画祭では、カーク・ジョーンズ監督(兼・脚本)が特別ゲストとして招かれている。監督は英国南西岸のブリストル出身である。

ウェンディ・ホールデン

原作者はウェンディ・ホールデンである。その個人ページには抄録として、作品の一節が紹介されている。

As three stout musicians sat on stools with their fiddles, in whistles, uillean pipes, accordions and drums, playing age-old Irish tunes and exile songs with a steady foot-tapping beat, she had felt the pounding in her heart and knew it wasn’t just the rhythm of the ballads.

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アイリッシュ音楽の響きが、聞こえてくるような描写である。

フルモンティ

原作者ウェンディ・ホールデンの作品リストには、英国の炭鉱労働者の奮闘を描いた "Full Monty" など、社会問題をユーモラスに扱った作品が並ぶ。

そこには、デイリー・テレグラフでの10年を含む、18年間のジャーナリスト経験に裏打ちされた社会を洞察する視線が光る。

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……アイルランドを予習する映画として、再見した。



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Photos by H.Okada in Ireland.