umisako17

『好きな本や詩の言葉・朗読の書き込み言葉』たまに自分の言葉

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最近の記事

200731

今日は感傷的な日

    • 学んだこと

      ドSの人は 普段Sの人を服従(ドMに)させることが快感 なるほど〜

      • 『処方箋』

        "それは贈りものみたいな顔をしてやってきた こっちにも都合ってものがあるのに 運命はいつだって呼び鈴を押してはくれない いきなり来られたって支度なんかできてるわけがないんだ! だいたい出番はもっと先だと思ってた 呼ばれずに終わることだって充分ありえた ちっぽけな舞台とはいえ 今さら主役なんてどう振る舞ったらいいのかよくわからない 町のはずれには魔女が居ると聞いて 藁にもすがるような思いで戸を叩いた 誰もが一度は直面するこの事態を 丸くおさめるための処方箋がほしい 錬金術

        • 『解説』

          "自由だ解放だと今日日世間は煽るけれど、そんな風潮に乗ってはいけない。 本当の自由は仕方ない事情の内にあるのだから。" 山﨑努

          『花』

          "名もない菜花、という一行を書いたら 友人に「すべての花には名前があるのだ。」と、叱られたことがあります。 名前をつける、という行為は 愛情と関心と敬意の表れであり、又 名前と実態は切り離すことの難しい関係にあってそれが言語の本質を成しているのは確かですが、 目の前の一輪の花の清涼な美しさに驚きと畏敬を感ずる時、それに名前をつけるという行為がどこか自然に対する冒涜とも思えることが私にはあります。 際限もなく名付けることで人間は自然に、そして宇宙に秩序を発見し、ひい

          『愛する能力』(後)

          "恋愛って三角とか四角とかになりやすいじゃん。みよちゃんもなっちゃったの。 みよちゃん、才能のある、すごく仕事ができる、とっても素敵で知的な人なの。 自信があるのに、なんかその自信に見合うことにならないのね。 「最悪の状態になっちゃった。」 「どうしたの。」 「相手の女が出刃包丁を持ちだして、男を寝かさないのよ。そういう最低な女なのよ。」 「男はどうしているの。」 「なだめるより仕方ないじゃない。だから私に電話もかけられない最悪の状態なわけ。出張にまでべたっとついていっ

          『愛する能力』(後)

          『愛する能力』(前)

          "恋愛など唯々執り行うものであって、 恋愛について講釈を垂れるほど馬鹿馬鹿しいことはない。 食ったこともない究極のグルメについて如何なる名文で書かれてもよだれが垂れるのであって、悔しくて羨ましいだけである。 納豆とご飯だけでもしっかり食べたほうがいいのである。 誰か、それも身近な人が究極の恋愛なんかやっていたら、私は悔しくて羨ましくて、その辺のものをぶちまけてやりたい。 でも、幸いなことに現代では究極の恋愛なんて見つからない社会構造になっているし それに応じるケチ臭い精

          『愛する能力』(前)

          『何にも注文ないわ』

          "私は登園拒否をして幼稚園を辞めてしまった子供だった。私がブランコに乗っていたら 隣のブランコに立って乗っていた男の子が 横斜めに猛烈な勢いでぶつけてきたからである。私が知った初めての恐ろしい暴力だったからだ。白目がつり上がって逆三角形の頭の子供だった。 『行かない』と私がいうと、母は『どうして』と聞いたが、私は答えなかった。 次の日から私は1人で道路にしゃがんで1人で遊んでいた。あの横斜めにブランコがぶつかってくる心配がないだけで私は幸せだった。 ある日、私が道

          『何にも注文ないわ』

          5月

          想いが溢れそうになると 逆に想いを殺した言葉になってしまうのが 歯痒い ふとしたときの優しさに 油断してるとポロポロと たへいさんがすぐにくれた連絡と ゆうまさんからかかってきた電話には 涙が出た

          『寄り道』

          この世にちょっとだけ 寄り道してるだけ どんな所へ行こうかな 一番目の匂いは 朝の潮風 やわらかい曇り空 あなたにちょっとだけ 会いに降りてみたの 季節の変わり目も 疾(と)うに見逃して ただ見てるだけ ただ見てるだけで 何もいらない 青い空 時間の丘を越えて 此処へ来たの たしかに滲む 温い海の味 人混みの中 のらりくらり歩く 砂っぽい晴れた午後 私の身体が噛み砕かれてゆく あなたの白い光る歯で 私の上に わたしが重なり落ちる 柔らかな腹の中 この世

          『寄り道』

          『幾つかの貝』

          "この島を離れる時が来て、私は今、荷造りをしている。 この島でしたこと、ここの浜辺であれこれと考えた事から私は何を得ただろうか。 私の生活において、どういう解決を見つけることができただろうか。 わたしのポッケには幾つかの貝殻が入っていて それはそれだけの手がかりになるが 貝がらはほんの僅かしかない。 この島に来たての頃のことを振り返ってみるとわたしがひどく欲張りな貝殻の集め方をしていた感じがする。 ポケットはいつもまだ海水に濡れた、 そして隙間には濡れた砂がついたままの貝

          『幾つかの貝』

          『六月』

          六月  茨木のり子 どこかに美しい村はないか 一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒 鍬を立てかけ 籠を置き 男も女も大きなジョッキをかたむける どこかに美しい街はないか 食べられる実をつけた街路樹が どこまでも続き すみれいろした夕暮は 若者のやさしいさざめきで満ち満ちる どこかに美しい人と人との力はないか 同じ時代をともに生きる したしさとおかしさとそうして怒りが 高い鼻に胸でも病んでいるらしい 鋭い力となって たちあらわれる

          『自分の感受性くらい』

          自分の感受性くらい /茨木のり子 ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて 気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな しなやかさを失ったのはどちらなのか 苛立つのを 近親のせいにはするな なにもかも下手だったのはわたくし 初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな そもそもが ひよわな志しにすぎなかった 駄目なことの一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄 自分の感受性くらい 自分で守れ

          『自分の感受性くらい』

          朗読

          ある人が配信している朗読を毎晩聴くことが 最近の楽しみ 海は 物欲しげな者や 欲張りや 焦っている者にはなにも与えなくて、 地面を掘り、繰り返して宝物を探すというのは せっかちであり欲張りであるのみならず 信仰がないことを示す。 忍耐が第一であることを、海は我々に教える。 忍耐と信仰である。 我々は海からの贈り物を待ちながら 浜辺にも同様に空虚になって そこに横たわっていなければならない。 『海からの贈り物』“浜辺” /著:アン・モロウ・リンドバーグ 訳:吉田健一 聴い