缶入りの炭酸ジュース
缶に入ったジュースが、私は好きだ。
特に、冷えた炭酸が好きらしい。
カルピスソーダ、サイダー、ファンタグレープにジンジャーエール。
その甘さと、シュワシュワとした刺激がたまらなく好きだ。
夏はもちろんだが、冬でもスーパーでふと見かけると、猛烈に飲みたくなる時がやってくる。
好きな理由はいくつかある。
タブを引き缶を開けるとプシュっと鳴り響く音。
その音が好きだ。中毒性がある。
コップともペットボトルとも違う、液体が口に入ってくる感覚。
その感覚が好きだ。飲みづらさもあるが、だからこそ求めてしまう。
手から直に感じる温度。
その冷たさが好きだ。アルミ缶の熱伝導率の高さゆえ、手で触ると冷えていることもすぐに分かる。「冷たっ!」と思わず声が出るのも好きだ。
毎日飲みたいわけでなはい。
飲まない月もある。
だけど、ごくたまに。
スーパーで見かけると立ち止まってしまい、吟味して購入してしまう。
そうなる時が私にはある。
それを、自分へのご褒美だとも捉えているし、それを欲するということは何かをがんばった時、疲れを癒されたい時なのかもしれない、とも捉えている。
大した贅沢ではないことは分かっている。
それでも、好きだからこそたまにしか飲まないことで、その存在は特別なものになる。
他愛もないかもしれない。
とるにたらないかもしれない。
だけど、私にとってはとるにたる大切なもの。
大事にしたい。
右手の人差し指の爪で、少し冷たいプルタブをプシュっと開けられるのを心待ちに。
今日も日常を生きていく。
とるにたるものものに、胸いっぱいの敬意を込めて。
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