ゴシック・ロリィタ・ロックンロールエチケットVol.4〜赤花ハガレになる前と、成人式と〜

実は成人式に出ていない側の人だ。
吉田豪が言うところのそれ、まさに私はそれなのだ。
前撮りもしてないし後撮りもしてない。コロナ云々で。こんな顔が可愛いのに。
社不のため当時やってたバンドのイベントを優先した。
その時ホームにしてたライブハウスの店長と軽く揉めたな〜ってのが成人式のたび思い出すのだ。

ブッカーの中にはバイトや金の理由や大学の授業でブッキングライブを断るとキレるやつも居るんだけども、そいつがお前の生活担保してくれんのか?って話で、そりゃブッカーはお前が持ってくるノルマで食ってんだからお前の時間や将来的に必要なものより飛ばしてでも、定例のブッキングライブを優先しろと言うと思うよ。

あと仕事辞めてアルバイトして時間作ってバンドしろと勧めてくる奴とかいるけどそれはほんとやばいからやめておけ。

一回金銭的にノルマ払えないって理由でブッキングライブ断ったら「お金を理由に断るバンドはカスです!約束してた大事なイベントも出しません!」的なこと言ってきたブッカーおったけど、全員大学生とかで授業やって限られた時間でスタジオ入ってアルバイトしてたら得られるお金も限られるに決まってる。
しかもそのイベント成人式の日だったんだけど、バンドのステップアップにはこっちが大事だと思って成人式蹴って着付お願いしてた親戚にもキャンセルした後だったんだよな。
色々とどうしろっていうねん。もっかい着付けとヘアセット頼むにもどうしようもないくらい直前だったし。
結局別のスタッフさんの尽力で出させてもらえることになったけど、これ以上このライブハウスと付き合うのは無理だと思ってバンドを抜けるに至った。

多分あの人は人を呼べばノルマ払わないでいいんだからライブ断るな!人呼べ!って言いたかったんだろうけど現実問題、今2〜3人しか人呼べないバンドが急に来月20人とか呼べるようになるのは難しい。ましてや企画でもあるまい、客が呼べないバンドが寄せ集められたブッキングライブに。じゃあ、他のライブハウスに出て、色々営業をかけていこうとしたらキレられた。うち断って他所に出るのか。と

20歳になったばかりの私は途方に暮れた。昔の顧問に連絡を取ったりもした。まぁ「向こうも商売だから仕方ないね」ということになった。

アルバイトしながら月一回のブッキングライブに出てライブやってる学生のバンドはいざってとき(企画ライブとかイベントとか)に人呼んでこの先長くやってけるように準備してる段階だと思う。
限られた予算と時間でバンドやるなら出るライブ出ないライブ取捨選択しながらやっていくしかないよね、

あいつほんま何やったんやろ。大学生に集らないと行けないくらい生活死んでたんかな。まだライブハウスに居るけど。

「舐められてたんだよ、あんた」

いやまぁそうだよな、絶対それはそう。期待されてたわけではなくて、舐められてた。
片田舎のライブハウス、水曜日しかライブができなかった。アクセス悪すぎて人来なかったな。いつも。あとノルマも高かったよね。

「よくあるバンドのよくある話でしょ、あんたらはライブハウスにとって固定で2万払ってくれる養分でしかなかったのよ」

それはほんとそう。

「舐められるような演奏しかできてなかったんじゃないの?」

そこは反省してる。

「結局そのイベントとやらもノルマなかったっけ」

あった気がする。まぁそれが普通だと思ってた。

「別にライブハウスはそこにしかないわけではないよ、あなたは少し足を伸ばせばたくさんある。誘ってもらいなよ。営業かけなよ。色々できることはあったよ。」

そうだね。

「あんた、あの時お世話になったブッカーさんはなんで言ってた?」

東京のライブハウスに出ることも、都合が合わないからブッキングライブを断ることも、悪いことじゃないよ。って言ってくれたな…。

「ありがたいことに今は色んな人が気にかけてくれて、好きな時に好きなところでライブできてる。じゃああと何が足りない?あんたの努力じゃないかな」

そうだね。幸い今のバンド始めてからは変な人に出会ってないし。

「じゃあ早く練習しようね」

押忍…。

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