月と猫
・月と猫は似てる。
・どちらも思いがけないときに、おもいがけないところから突然現れ、癒してくれる。
・正確に言えば、月のほうは、いつ、どこに、どんな形で出るかは事前に決まっているのだが、それを常日頃から意識しているわけにもいかず、意外な時に、意外なところで意外な形、明るさで現れるのが、いい。
思いがけず、月を見かけたときは、何かほっとした気持になる。
月の写真をスマホで撮れるすぐれものの望遠鏡があるようだが、確かにほしくなる。
月を見て楽しむのもいいが、やっぱり最後は月に行きたくなる。
前澤君はもしかしたら本当に言ってしまうかもしれないが、行きたくなる気持ちは痛いほどわかる。
あんなに、癒していくれるものの実体はいったいどんなものなのか。
これがわたし人生の最大の夢かな。
そして、猫。
2年半ぐらい前に、うちに猫が来た。
名前は「あお(碧)」という男の子らしいが、わたしは、個人的に「にゃん太」と呼んでいるので、家族には少しうとまれている。
それは、猫本人(いや本猫というべきか)からもそうで、わたしは可愛くて仕方がなく、近寄りたいのだが、いつも私の気配を感じると、ささーっとどこかに去り行く。
それがまたいじらしく追いかけるのだが、それでさらに嫌われるのだが、まー、これはこれでいいか、と思っている。
そして、月と同じように、思いがけないところで、思いがけないときに、思いがけない姿勢で突然現れる。
そんなときは、本当に癒される。
もうすぐ、この春で、三歳。長生きしてほしいものだ。
困りものは、行方不明。
なりを潜めて、狭い家の中を隠れていることも時々あるのだが、先日は、夜中に、本当に家族4人がかりで、家じゅう探してもいなくて、とうとう寒空を外に探しに行くしかないな、と腹をくくったとき、ようやくキッチンの水屋の扉の中で見つかった。
あんなとこ、どうやって入ったんだろう。本当に心配した。
真っ暗な中で、いざ今宵の寝床に決めてしまってたのか。
みんな心配するから、みんなが探しているときは出てきてね。にゃん太。
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