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度胸のはなし。

社会人になってから、「度胸がある」と言われることが増えた。

前に立って堂々と話したり、目上の人にも臆しなかったりするからだろうか。

そういう時は大抵、「高校生くらいからバンドでステージに立つことが多かったからですかねー?」と答えるのだけど、

(そういえば、ステージに立つようになったきっかけってなんだったっけ…?)

と思ったので思い返してみようと思う。



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初舞台となったのは、中学校の文化祭。

文化祭で自由発表という演目が設けられいた。

そこでは、音楽、お笑い、一発芸、ダンスなど自由に披露することができる。

出場したい人は申込みをし、説明会に出て、一応行われるオーディションを受け、合格すると出場できる仕組みだ。

在学生なら誰でも申込むことができるが、中学生特有なのか田舎特有なのか、謎の伝統というものは存在しているもので、自由発表には3年生しか出られなかったように思う。

(他にも今思うとくだらない謎ルールがいくつかあったので、機会があったら書こうと思う)


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この「3年生しか出られない」というルールは、そのステージへの憧れと絶対に出てやるという気持ちをより強くさせた。

出場するなら音楽と決めていた。

ただ、その頃はひとりで演奏する度胸もなかったし、そもそもギターは始めたばっかりだしピアノの弾き語りは出来なかった。

また、2年生の頃はと言えば、元部活仲間とは険悪のまま。

しかもクラス替えごとに友達が変わるタイプであったため、自由発表に気軽に誘えるような友達はその時の友達しかいないにも関わらず、楽器をできる人がいなかった。

3年生になったら本当に自由発表に出ることができるのだろうかと不安にさえ思っていた。

気づけばもうそろそろ文化祭の準備が始まろうとする時期となっていた。


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そんなある日、もう諦めかけていた時に、当時の友人から朗報が入ってきた。

なんでも、友人の他のクラスの友人にピアノが弾ける人がいて、その人も自由発表に興味があるらしい。


持つべきは友である(少ないけど)。


そうしてそのピアノが弾ける友人の友人と、当時の友人と、私の3人で無事に自由発表のステージに立つことができたとさ。

めでたしめでたし。

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…とまぁ、こういうことで初めてステージに立って、

反響として、意外にいけるじゃん歌!みたいなことを言われたことで、それが嬉しくて舞い上がり、そこから大学生までずっとステージに立っているのは、本当に単純すぎて呆れる。

呆れる、けどその単純さのおかげで度胸がついたので、


めでたし、めでたしってことで。


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