7月17日の日記

・「昔の私ってな~~~~~~~んも考えてなかったな~~~~~~~~」と落ち込む。

・自分の理想というものを確固と持っていたせいなのか、そうじゃない現実に怒ったり辛がったりするのに忙しく、「将来どうなりたいか」なんて考えてなかった。「○才で彼氏作って、○才で結婚して、○才で子供産んで、○才で家建てて、」みたいな人生設計を見る度に慄く。そんな現実的なことひとつも考えていなかった。親にキレて管理職にキレてお局にキレて、本当にそれどころではなかった。

・あと、「人生設計」みたいなものへの懐疑も強くあった。就活でもあるだろう「○才でこの部署に入って、○才でこの仕事して、○才でこんな企画をやりたい!」が全くできなかった。そんなん突然世界大戦が起きたら全部終わるくない?なぜそんな根拠のないことを自信満々に話さなければいけないのか?と拒絶してた。そのために新卒カードを切ることなく私の就活は失敗し、大学を卒業してから就職先を見つけた。

・ライフステージというものを進めている(なんて言うのもちゃんちゃら社会の奴隷だと思っているが)人を見ると、自分ってほんとうに社会をやるのが嫌いだねえ!だめだねえ!!と凹む。もっと昔に色々やっておけばよかった。「何となくこうなっていくだろう」と思ってたんだよな。なりませんでした。私は何も考えていませんでした。

・いや!!!!しかし、確かにライフステージとかライフスタイルみたいなことは考えてなかったけど、自分の思う「正しさ」については一生懸命にやってきた!!!!そのことは誇りに思おう。負け惜しみっぽいけど、その頃は本当に興味がなかったから仕方がない。

・正直今でも「そんなつまんないことを叶えないと私は幸せになれないのか?」と懐疑的だ。懐疑的だが、本当に将来のことを考えるだけで飢え死にしそうだったので、マッチングアプリを始めてみた。

・むちゃくちゃ大量の人とコミュニケーションしてものすごく満たされた。すごい忙しくて、楽しかった。私が求めているものは緊張感の高まり!!!!あの頃のヒリついた焦燥感……!!!!


・昨日マッチングアプリを始めたんだけど、そういう訳で「私が求めていたのは猫じゃらしの高速移動であって飼い主ではない」と分かった。

・つい最近まで「周囲を警戒してないと死ぬ」みたいな体質だった。これが治った!マシになった!のんびり生きていける!!と改善を喜んでいたけど、治ったら治ったで不足を感じるらしい。

・何なのよ。

・これだから計画を立てるのは嫌いだ。私が何を求めて生きているかなんて私は全然知らない。


・『光る君へ』のまひろが奔放で、落ち着きがなくて男好きだ、みたいなコメントを見かけた。私から見たまひろって「すごく大人しくて子供っぽい人」だから、なんか不思議だ。「やっぱ少女漫画だから自然とモテる流れに描かれてるね」くらいにしか思わなかった。

・書いてて思ったけど、「男の心を強く引き付ける」がネガティブに語られるのは作中の定子と相似かもしれない。

・まあ今回のまひろは既婚者になってたので、そのぶったたき欲に法的後ろ盾を得たと考えた人が多かったのかな。は?じゃあ倫子さまと明子女王と結婚してた道長はもっと糾弾されるべきではないですか?道長には怒らないんですか?法の下の平等に則って考えればそうなのですが?


・『細雪』を読んでる。今まで書いたことがなかったかもしれないけど、谷崎潤一郎フリークです。あっという間に上巻が終わって雪子が東京に帰ってしまった。おもろすぎる……。

・10年間で何回読んだのか覚えていない。何回読んでも面白い。

・私は「雪子って嫌な女だろ」説を推してるんだけど、今回の読書でまた別の根拠を見出した。

・蒔岡家三女雪子は姪を大層可愛がっているのだが、雪子が東京へ行って姪と離れたあとすっかり姪が参ってしまったのだ。親類にべったりと可愛がってもらいたがる弟がいたから「こういう子もいるよね」と深く考えてなかったけど、それってなんか、、ダメっぽくないすか。

・穿って見れば、雪子は「両親を尊敬なさい」という教育を姪にしなかったわけだ。雪子本人は年功序列を守る方なので、教えてなかったならわざとだろう。自分に甘えてほしくて敢えて叔母姪としての距離を保たなかったとも考えられる。

・雪子って貞淑なつもりなのだろうけど、そして実際貞節の上ではそうなのだろうけど、かなりめんどくさい妹だ。頑固なくせに意思表示はなかなかしないし、自分がしたくないことは絶対やらないし、喋りたくない人とは喋らないし、「さっさと結婚してくれ」と長年妹に思われてるのになかなか結婚しないし。幸子は姉として「そういうお嬢様なところが雪子のいいところ」と思っているけど、谷崎潤一郎がそれをどこまで本気で書いてるかは怪しい。

・『細雪論』では「理想の女性」と言われがちだが、そんなことはないよな……と思う。そんなことはない……。めちゃくちゃめんどくさいよ。これは『虎に翼』を見て改めて思った。いくら金持ちの上流階級だからってあんなに姉妹とべったりしてるの、変だ。幸子も妙子も他所に友達が大勢いるっぽいから余計変だと思う。

・続きもまた読んじゃお。死ぬまで読むよ。きっと。

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