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「デンデラ」「残穢」「クリーピー偽りの隣人」見た!!!

もう皆忘れてるだろうけど、少し前アマプラ騒動について書こうと思ったが、旬は過ぎた。
もう払うのは公共料金と同じ括りとなりつつあるGAFA(栗山監督では無い)の一角が癖のある政治的な主張をする三浦瑠麗を使う意味は分からないが、結局我々はAmazonからは逃れられない。


本屋で見かけた『クオリティランド』ってドイツの小説やドラマの『ブラックミラー』でありそうだけど、まあ別にいいか。


『デンデラ』
楢山節考(姥捨山)で棄てられた老婆達が熊と戦う話
B級映画っぽいがこういう発想はなかなか無い。
面白そう!!!と誰もが思うだろう。
ただ映画ってのはログラインだけじゃ上手くいかないんだなと思わされる。

熊がものすごくチープで迫力に欠ける。
なんか撮り方も微妙だし、何よりババアキャラってのは若い人の中にいるから輝くんだなと思い悲しくなった(一応、隻眼のババアや双子のババアは出てくるから全部同じキャラには見えない)

見てるとなんか飽きてきて、よく考えたらこいつら東北(土偶っぽいのと雪山と江戸時代貧しかった事から連想。実際は知らん)の寒村に住んでて食糧難の為の棄民なのに50人も老婆が寄りあって共同生活って兎を何匹狩らないといけないんや、と設定破綻してんか?とログラインの根底を揺るがす考えが湧いてしまった。

発想は良いのに微妙。
将来を嘱望された神童が凡人に堕ちていくような感覚だった。
『先生を流産させる会』や虚淵玄のアニメ版ゴジラみたいだった。
(アニゴジは小説版が面白かった
ブラッシュアップした『ゴジラFINAL WARS』と言った感じか……)

クマがチープ過ぎて可愛いからイウォーク好きな人には見れると思う。

『残穢』
僕がホラー映画を見る際は、ホラー映画というアトラクションに乗ってスリリングな展開を楽しむようにしているのだが、これはそれが無かった。
勿論ホラーシーンもあったが。
ただ淡々と流れ、淡々と終わる渡し船に乗っている感覚に近い。
映画として断じてつまらなくは無い。
何故心霊現象が起こるのかを解明していくのに焦点を当てていて良かった。(『リング』とか見てて僕が1番面白かった所)
座敷牢の所とか雰囲気最高だったし。
ただ推理小説を読まん俺でも流れは分かりきってるし(なぜ爺さん家がゴミ屋敷なのかとか)
流れ着く先が大体分かるという意味でこれは渡し船感がある。

また、どうせならタイトルにもある穢れの要素にもう少し踏み込んで欲しかった。
穢れと言うからには民俗学とかの概念が入ってきてより面白くなるだろうにな。
まあその辺は差別に繋がる所もあるしナイーブになるのも仕方ない。
平山夢明は本物使って欲しかった。
あの人は単体で幽霊より怖いし凡百のホラー映画より面白い。
平山夢明っぽい人が出てる動画。
https://youtu.be/4HBhwJ9JPjY

『クリーピー偽りの隣人』
アマプラの評価が低い。
何故こんなに低いのか、結局はラストの展開なのだがきちんと見てれば分かるのにな。
この風評にいちいち反駁したいくらい面白かった。

黒沢清監督作品をそこまで見ている訳では無いが、特に『Cure』という映画は素晴らしく、映画星人が日本に攻めてきた時に見せるべき邦画だろう(面白さと考察する点がいい感じの均衡を保っている最高の映画)
まあ国民投票したら流石に黒澤明かな。
松本人志選ばれて日本が壊滅する未来も見たい。
松本人志の次の映画のテーマが決まったな。

昆虫おじさん(香川照之)の怪演は凄まじく、情けない挙動を取る所が最高やった。
狂人西島秀俊やその他の役者も名演と言えよう(こんな事言っといて役者の演技で何が上手いのか、下手なのか分からん。
最初は主演の人なんか微妙に思えたけど映画にあってて良かった。
そういう事かと合点がいった。
自分の中に違和感なくスっと入ってきたら大体名演になる。)

また、『Cure』を見た時に思った。
この監督の映画はちゃんと考えて見ないと駄目だなと。
雑踏も水滴も映画に映るものなら何でも意識しなければならない。

クリーピーで僕が分かったのは、風車ファン扇風機ミキサーが回る時に香川照之の影響下になっていると言う事ぐらいだった。
なんで回転するものなのかは分からん。
ねじの回転か?

あの人を狂わせる薬欲しいな。
Cureを見た時メスマーを本気で勉強しようと思ったし、誰かあの薬くれねーかな。
Cureもクリーピーも散歩する侵略者も同人誌のネタに使えそうよね。
うん。

全く関係ないけど最近読んだ『完全教祖マニュアル』オススメです。
細心の注意を払った全方位煽りと「本書を信じなさい」と言った新書というジャンルでのメタ構造が見れるとは思わなかった。




特にオチもなく終わり

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