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改善活動におけるナッシュ均衡を観測した話

ゲーム理論における非協力ゲームの解

囚人のジレンマというお話を知っていますか。
こんなお話です
「本来ならお前たちは懲役5年なんだが、もし2人とも黙秘したら、証拠不十分として減刑し、2人とも懲役2年だ。もし片方だけが自白したら、そいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合黙秘してた方は懲役10年だ。ただし、2人とも自白したら、判決どおり2人とも懲役5年だ。」
※ただし、事前に相談できないとする。

利得表で表すと

1ャ

この場合、A囚人が「自白」「黙秘」どちらの答えだとしてもB囚人は「自白」が最適解になります。逆もしかりですので必然的に「自白」「自白」という選択に収束します。これをナッシュ均衡といいます。

ゲーム理論の前知識はこの辺にして

これが改善活動で観測されたという話

例えばこんな話です
「お前たちは社畜なんだから、もし2人とも改善したら、業務量は半分になるぞ、2人とも業務量が半分だ。もし片方だけが改善したら、そいつの空いた時間に新しい仕事をやろう(つまり仕事量が増える)。この場合改善した奴に時間ができるから改善しないほうの仕事を減らそう。ただし、2人とも改善しなければ、通常通り業務量は変わらない。」

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みんなが改善した場合はみんなの業務量が減るのだが、自分だけ改善した場合は、改善により空いた時間に新しい仕事を割り振られる。ちなみに給料は働いた時間に比例し、タスク量に比例するわけでない。

改善しないほうが損をしないというケースが発生してしまっているので、改善活動に乗り気でない人が発生する。またそんな人を観測しているので、自分のみ改善すると損をするので、改善しないというナッシュ均衡が生まれているようでした。

ではどうしたらいいかというと簡単で非協力ゲームから協力ゲームにルールを変えてしまうことです。簡単に言うとみんなでやるです。

ぶっちゃけ、マネージャーがちゃんと仕事の成果で評価し、改善活動に対して十分なインセンティブを示せばいいのですがね。

※この話は一部フィクションです。

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