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エアコン故障対応クロニクル

◼️概要

本noteは、賃貸アパート備え付けのエアコンに対する故障対応を時系列順に詳細記録した報告書である。ユーザ目線で物件管理会社・修理業者・メーカとのやりとりをまとめ、今後、不運にも類似の経験をされる方々が参考にできる資料を残すことを目的とする。時系列概要は以下の通りである。

・賃貸アパート備え付けのエアコンを冷房運転させたところ効かず、管理会社を仲介して修理業者が新品交換で故障対応する運びとなる。
・交換後、不具合が一ヶ月半にわたって相次いで発生する。
・最終的に、修理業者の施工ミスによる冷媒ガス漏れが事の発端であることがほぼ明らかとなる。
・修理業者側の現対応では問題解決できないと判断したメーカが、修理業者に代わって修理工事を行う。
・エアコンは現時点(2020/08/12)で無事運転している。
・メーカは原因を調査し、管理会社および修理業者に対して不服申し立てをする予定である。

今回のケースでは、自分で修理業者を選択できないのが特殊である。そのなかで、入居者として得られた教訓はおおむね以下の通りである。

・エアコンが真夏に確実に動くよう、故障対応の繁忙期に入る前から動作確認をしておく。
・業者のエアコン取り付けにおいて、配管の接続がガス漏れの原因となる。配管が長くジョイントがある場合は、そこからガスが漏れる可能性があることを念頭におき、問題発生したらまずジョイントを確認してもらう。
・量販店と修理業者との間でコミュニケーションが十分とれていない。業者Aの施工内容を業者Bは把握していないことがある。施工内容はある程度ユーザも把握しておき、問題発生したときに故障箇所の候補を絞るために役立てる。
・修理業者によっては、難しい用語や説明でその場を乗り切ろうとする者もある。ユーザとして対応に窮する場合は、メーカに事情を訴えれば真摯に対応してもらえる。管理会社が修理業者を指定している場合は、管理会社に不服を申し立て、事態の改善を強く求める。
・管理会社/修理業者/メーカの責任のなすりつけあいに巻き込まれて、一番困るのは我々ユーザである。これを防ぐ確実な方法は、信頼できるプロにエアコンの設置をお願いすることである。

エアコンは購入しただけでは動作は保証されない。設置ミスを可能な限り減らすことが多くの問題を未然に防ぐことに繋がる。

◼️詳細

(1)定義*

業者:
賃貸物件の管理会社、もしくは管理会社指定の量販店が、エアコン故障対応をするために派遣する、エアコンの取り付けおよび簡単な修理を行う下請け人。

メーカ:
故障エアコンメーカのサポートセンターが派遣する、エアコン修理人もしくは修理チーム。機器内部の不具合に起因する故障にも対応できるが、室内機/室外機以外の部分(配管など)は原則的に対応外。

配管:
ただ単に配管と書いた場合は、室内外機を繋ぐ銅管および両端接続部分を指す。中を冷媒ガスが巡って熱を移動させる。室内機と室外機に距離がある場合、複数の配管をジョイントで繋げるため、ガス漏れのリスクが高まる。

*本noteのみの定義であることに注意

(2)背景

・就職をきっかけに新居へと引っ越したのが2020年3月上旬
・同年6月下旬まで備え付けエアコンは一度も使用せず生活
・同年6月26日、初めて冷房を運転させるが効かず、室内機底面を写真にとって管理会社に問い合わせ
・耐用年数10年を経過していたことが判明、新機への交換が決定

(3)時系列順の経緯詳細

以下は管理会社への問い合わせを時系列順に整理したものである。対応は問い合わせへの対応を、観察は対応終了時までに見たこと、思ったことをまとめる。

No.1
月日
:2020/06/26
対応:翌日、業者Aによる新機への交換
観察:二、三時間の作業で室内外機および配管を新品(室内外機は製造年2020年)に交換。室内機と配管の設置に特に時間をとられていた(室内機を壁に密着させようと配管や室内機を何度も押し付ける)。またベランダにある室外機の向きを室内とは反対方向に変更し、熱風が植木を傷めるのを防ぐ処置をした。
経過:設置後最初の二、三日は動作していたが、徐々に冷房の効きが悪くなる。

No.2
月日
:2020/07/04
対応:同年7月11日、業者Bによるガス漏れ点検およびガス充填
観察:仕事の都合で週末へスケジュール調整することに。石鹸水を吹き掛け、配管の両端接続部分に漏れがないことを確認。また室内機のフィルタにもガス漏れによる油染みがないことを確認。さらに圧力測定によりガスがほぼ抜けていることを確認。施工ミスでのガス漏れはないと判断、ガス充填による対応でこの日は終了。今思うとガス充填だけで問題が解決するわけがなかったが、梅雨の時期で曇りの日が多く、気温もさほど高くなかったため、エアコン修理がそれほど急務ではなかったことが後に祟る。
経過:ほぼ一週間後、冷房が効かなくなる。

No.3
月日
:2020/07/19
対応:ガス漏れの兆候があることを管理会社に強調、同年7月23日メーカAのガス漏れ点検が実施され、同年7月25日に室内機の配管ごと新機に交換
観察:メーカAも配管の両端、室内機、室外機にガス漏れの兆候(染みやぬめり)がないことに首を傾げる。また室内外機の型式が異なっていることも判明する。ガス漏れセンサを使用するも、前回に業者Bが吹き掛けた石鹸水に反応してしまい役に立たず。詳細に漏れの確認ができていない、室内機内部の配管に漏れがある可能性を考慮し、新品に取り換える。また配管からの漏れについては、距離がそれほどないことから、ジョイントもないと予想、漏れの可能性は低いと言及する。
経過:ほぼ一週間後、冷房が効かなくなる。

No.4
月日
:2020/08/01
対応:問い合わせ当日、業者Cが室内機と配管の接続部分を交換、ガスを少しだけ充填。またメーカA, Bが同年8月6日に訪問、室内外機ともに新品へ交換
観察:業者Cはガス圧をみて、冷房運転中にも関わらず送風状態になっており、基盤に問題があるとし、メーカ対応が必要だと主張する。あわせて室内機と配管の接続部分を交換、漏れを防ぐ製品をジョイント部分に塗布する。この旨を私からメーカのサポートセンターに説明、新品に交換して欲しいと要望、メーカA, Bによる新品の設置が行われた。この時点でメーカの製品への不信感が募るとともに、いまだにガス漏れ箇所が特定できていない状況に見通しの立たない不安を覚える。同時に、まだ点検していないのは配管のみであることに嫌な予感がしていた。猛暑日が続き、エアコンなしではとても生活できず、身の危険を感じ始める。
経過:業者Cの作業直後から冷房はほとんど効かず(ガスの充填が業者Bに比べかなり少なかったか?)、メーカによる新品交換後二、三日で再び冷房が効かなくなる。

No.5
月日
:2020/08/09
対応:翌日、業者Bによる診断とメーカAによるガス充填。翌々日、メーカAによる配管の交換
観察:緊急連絡先へと電話し、問題を一から説明する。祝日ということもあり翌日の対応となる。業者Bは始動時の室外機からの異音からコンプレッサか四方弁に問題があるとし、メーカ対応が必要と主張。私から配管は一度も調べておらず、そこに漏れはないのかと訊くと、距離の短さからジョイントはなく、漏れはないと断言しその場を去る。これを受けてメーカAがその日のうちに訪問、ガスを充填すれば冷房が効くことを確認し、部品に問題はないと判断する。消去法で残るのは配管で、本来それは業者が責任をもって取り換えるべきところだが、今回はメーカによって配管工事を実施することになる。翌々日、配管を見てみるとそこにジョイントがあり、漏れの兆候(ぬめり)が確認される(私自身も確認)。また室外機の向きを変えたことで必要な配管の長さが延びたためか、古い配管と新しい配管を繋げていたことが判明。これをメーカAがジョイントなしの配管に取り換える。今回の不具合の発端は、古い配管を使って(経費削減を意図してか?)ジョイントしたことによるガス漏れ、すなわち施工ミスであるとメーカは判断した。
経過:現時点で無事動作している。

結局は業者Aが本来ないはずの施工(古い配管を使っての延長)をしたことを、本人以外誰も把握していなかったことが問題の根本であり、そのために一ヶ月半も関係者を困らせたことになる。何度も業者が訪問したのに、なぜ業者Aを交えた議論をしないのかが疑問でしかない。下請け業者全体が悪い評価を受けかねないのだから、個々の業者の施工内容にもっと透明性を持たせる必要があるのだけど、そんなことは知ったこっちゃないわけで、ユーザとしてはちゃんとしたところに設置を頼むのが一番良いということで、今回の問題はまとめることができるだろうと思う。
また、管理会社に逐一施工内容を説明しなくてはいけなかったのだが、なぜ私がそれをするのかも疑問であった。業者の報告を信用していないのかと勘ぐってしまう。全体を通して、問題発生→管理会社に問い合わせ→管理会社から業者/メーカに連絡→訪問修理→報告(私からも含め)という流れがワンサイクルであったが、私が直接業者もしくはメーカとやりとりした方がよっぽど話がシンプルなのは言うまでもない。今回は備え付けエアコンだったので事情が込み入っているが、業者と直接やりとりすればこのような事態にはならなかったのだと思う。

(4)教訓

・エアコンが真夏に確実に動くよう、故障対応の繁忙期に入る前から動作確認をしておく。
・業者のエアコン取り付けにおいて、配管の接続がガス漏れの原因となる。配管が長くジョイントがある場合は、そこからガスが漏れる可能性があることを念頭におき、問題発生したらまずジョイントを確認してもらう。
・エアコンの故障原因として、それが新品の場合、おおざっぱに(a)初期不良、(b)取り付けミス、がある。
・業者の取り付けミスによる、冷媒ガス漏れがある場合は、ほぼ一定の時間をかけて冷房性能が低下/喪失する。また、ガスの充填によって性能は一時的に改善される。
・ガス漏れの場所としては、(a)室内機、(b)室外機、(c)両機を繋ぐ配管、の三つに大別される。このうち(c)は原則として修理業者の管轄であり、配管の両端接続部分だけを見て漏れが確認できないときは、中間部分の点検も故障対応初期の段階で済ませておく(今回はこの中間部分のジョイントからガスが漏れていた)。
・修理業者によっては、難しい用語や説明でその場を乗り切ろうとする者もある。ユーザとして対応に窮する場合は、メーカに事情を訴えれば真摯に対応してもらえる。管理会社が修理業者を指定している場合は、管理会社に不服を申し立て、事態の改善を強く求める。
・管理会社/修理業者/メーカの責任のなすりつけあいに巻き込まれて、一番困るのは我々ユーザである。これを防ぐ確実な方法は、信頼できるプロにエアコンの設置をお願いすることである。

(5)仏語悪態集

この蒸し暑いお盆休みの中、コロナで外出も減り自宅にいる時間が増えているにも関わらず冷房が効かないだけでなく、様々な関係者と連絡をとりあって故障解決に貢献しなければならないのは多大なストレスでもある。肉体的な疲労も甚だしい。冷房がない間はカフェに長めに滞在したり、扇風機をフル稼働させたり、氷水を桶に入れて手を浸したり、濡れたタオルで体を拭いて涼を得たり、水風呂に入ったりして対策をしたが、終始暑く気が休まることがない。

そんな時は悪態をつくのも大事である。特にフランス語は悪態が豊富にある。中には教養ある人は口にしないものもあるが、気心の知れた仲間の間では頻繁に使われたりもする。責任は負えないが、以下がそのような表現のリスト(の一部)である。かなり下品なものもあるので、取り扱いにはローカルへの問い合わせをしていただきたい。

★困った状況に置かれたとき:
・On est dans le caca/la merde/la bouse.
・On est bien embêté/emmerdé.
・On en a marre/ras le bol/ras la casquette/par-dessus la tête/plein le cul.
・Ça nous casse les bonbons/les couilles.
・Ça fait chier.
・Ça nous saoule.
・Merde/Putain/Putain de bordel de merde.
・C'est une honte/un scandale/couillon.

(6)修正/追記履歴

・[2020/08/12]現時点(2020/08/11)を08/12に修正。

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