ヴァルプルガの詩の話をしたい


※この記事には愛と乏しが入り混じっています

まずはこのムービーを見てほしい
<https://www.youtube.com/watch?time_continue=119&v=HXwwR74ThyA&feature=emb_title>

すごくお洒落でかっこよくないですか!?「この恋が私を殺す」「守られるか、喰われるか」「その恋を、世界が拒む」、「生の孤独、死の純愛」といったキャッチコピー、異形である彼らと隔たれるヒロイン。(青年が眠る詩に手を伸ばしかけるところはもう、何度見ても胸が苦しくなる)
乙女ゲームのOPで好きなOPを挙げてくれと言われれば真っ先に私はヴァルプルガを挙げる。
スタッフはあの三国恋戦記を産み出したトム、スズケンチームで、しかも私の好きな吸血鬼ものである。とてもとても、私はこのゲームを楽しみにしていた。一体どんな結末の物語となるのだろう、恋に殺されるとは、どんなものだろう。異形愛のセオリーとしてはやはりヒロインが元の世界を捨てて共に異形になるのがお決まりだろうし、そこは予想していた。
ただ、私の想像よりもこの物語ははるかにやさしすぎた。
そしていまだにあのぬるぬる動くムービーを入れようとした製作人の思惑を私は理解できずにいる。(後述します)
攻略対象は四人。青年、兄、代々人狼として産まれてきた双子の兄弟。
あらすじとしては突如現れた青年により、ヒロインに異形の力が埋め込まれ、また彼がいることで渦という良くないもの(でもそれのせいで死ぬというわけではないらしい)が世界に広がり始め、それを解くために彼ら異形と力を合わせるといったところだろうか。
当然ながら青年はヒロインを異形にした元凶なので、青年ルート以外ではニチアサ悪役の如く彼はさっさとおさらばしてしまう。爆発はしませんが。
たまにはいるデフォルメギャグにはは、と乾いた笑いを出しながらも(これは単純に私がシリアス系物語でデフォルメギャグをされるとげんなりしてしまう好みの話です)ストーリーを読み進め、トラルートのエンディングを迎えた瞬間、心がスーッとなるのがわかった。いえ、その直前はめちゃくちゃ爆笑したんですが。
もうこの辺りはツイッターで散々言っているし、人に勧める時もこれを真っ先にあげるのだがヒロインと攻略対象の初夜の様子が(少女漫画的ではあるが)ムービーで流れるのだ。しかもかっこいい英語の曲付きで。
キスはいい、裸で二人が抱き合うのもいい。
でもヒロインが処女を失った時の痛みの表情を入れる必要性はあったのか。
戸惑いと笑いと心が冷める瞬間はたぶんあれ以来ないと思う。トラルートで最初に衝撃を受けたからか、というかトラのムービーが異様に気合が入っていたからか、それ以降のエンディングムービーは普通に見れた。むしろ青年のは泣いてしまった。

けれどこれを見た瞬間、製作はこれをどうした物語にしたいんだろうと思った。少なくとも、自分の周囲でこの映像を見た大半の人は戸惑っていた(のと笑っていた)と感じているし、こうしたシーンをいれたいのならPCゲームでもあったしいっそ18禁にしてくれればと思う。
それこそトラが狼の姿でしかそういうことができないだとかやってしまえば異形物としても一段階進めたと思うし。

これに限らず、他乙女ゲームにも言いたいのですがそういうシーンを入れたいのならレーティングをあげてくれ~~~!!
世の若い子たちがパソコンそのものをほとんどもっていないのは百も承知です。R18ばかりだと売れないのもメーカー的に困るのもわかってます。
ただ、元R18ゲームが元々あったシーンをそぎ落とし、一般レーディング用に表現を変えていくのにその逆はあまりないのは不思議だなと思います。えっちなシーンは嫌いじゃないです。二人の人間がひとつになれる最終的な行為なのだから。ただ、それを「甘いシーン」として安易にしてほしくないなと思います。手をつなぐ、キスをする、抱きしめる。この仕草の表現ですらそうしたシーンよりもっと甘く、愛しいものになると思ってます。ヴァルプルガをプレイするうえで私が印象に残ったのもとあるふたりのキスシーンだったので…。

なんだか話が脱線してきてしまったので次回はヴァルプルガの話の続きか、
乙女ゲーム、シミュレーションCDにおいてのそいういうシーンの可否ってどこまでなんだんだろうというのを書きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?