フリーコンサルに関する雑感
1. フリーコンサルについて
フリーコンサルをやっていると、他のフリーコンサルと知り合う機会があります。
フリーコンサルと一口に言っても、それぞれ全然目的や目標が異なっていて一括りでは語れないなぁと思っています。
僕自身が出会ったベースでカテゴライズしてみるとこんな感じです。(あくまでイメージです)
①飛び出してきた若手
僕はまだ1、2人しか出会っていませんが、フリーコンサルエージェントの知人によると、ファーム経験が1-2年程度で「とりえず飛び出してみた」という人が増えているようです。
彼らは基本的に新卒に毛が生えた程度、あるいは新卒と同程度という感じです。
※もちろん在籍年齢に関わらず優秀な人は優秀ですし、実際の僕の知人にもファームに1年半しか在籍していなかったのに、様々なクライアントから高単価で継続的にオファーを受けている人もいます。
②起業準備
起業が軌道に乗るまで例えば週2日だけフリーコンサルとして稼働するという人も多いです。
週2日稼働でも年収600-750万円くらいは稼げるので、有用な選択肢だなぁと思います。
③商売としてのフリーコンサル
起業準備とは異なり、「フリーコンサル」を商売としてより収入を上げていこうとしている人たちです。
商売っ気のある人たちで、20代後半から30代前半で年収2-3,000万円くらい稼いでいる人も決して珍しくありません。
④ファーム未経験・自身の経験を売るコンサル挑戦者
「コンサル」を名乗るには別にファーム在籍経験は必要ありません。
例えば、「事業会社で新規事業立ち上げを経験してきた」みたいな人が新規事業立ち上げ案件にコンサルとしてアサインされたりします。
逆もしかりですが、執行者とコンサルは全くの別物なので彼ら/彼女らはコンサル挑戦者ということになります。
僕の印象ではこの層は両極端で、すごく優秀な人かポンコツかです。
⑤経験と顧客を持つシニア
「商売としてのフリーコンサル」が目指すところの一つでもありますが、コンサルとして顧客から信頼を得ていて、案件をガンガン取って来れる人たちです。
ここまで来ると自分ひとりで捌き切れないので、信頼のおけるフリーコンサルに紹介するという紹介業を始める人が多い印象です。
紹介してもらう側としても、エージェントほど仲介手数料が抜かれなかったり、そもそも高単価だったりするので、非常にありがたいパターンです。
2. クライアントについて
クライアントは「コンサルティングファーム」と「事業会社」の大きく2種類存在します。
「コンサルティングファーム」の場合は、チームメンバーの1人としてアサインされる場合だったり、マネージャーと自分という構成であったりという違いはあれど、基本的にファーム時代とやることは変わりません。
一方、「事業会社」の場合は関与の仕方も違えば、もちろん重なる部分もありますがクライアントのフェーズや規模感が違ったりします。
関与の仕方としてはハンズオン的な感じで、並走しながらクライアントと一緒に検討していく、事業を立ち上げていくみたいな案件も多いです。
またフェーズや規模感で言うと、大手事業会社だけでなく、資金調達済みのスタートアップや中堅・中小企業もいます。
特に資金調達済みのスタートアップに関われるのは個人的には面白いなぁと思っています。
3. エージェントについて
まだまだ市場が若いのもあり、エージェントの質のバラつきがすごいなというのは日々強く感じています。
クライアントにも、フリーコンサルにもテキトーなことを断言したり、中には平気な顔して嘘をつく人がいたり。
この辺は知人の間でも意見が一致しているので、おそらくこういう質の低い人がそれなりの数いるんだと思います。
また、クライアントからもエージェントに対する不満をよく耳にします。
一方で、「この人とは継続的に関係を築いていきたいな」と思う人もいます。
こういう人は、フリーコンサル市場やクライアント動向などの情報を定期的に共有してくれたり、優秀なフリーコンサルを紹介してくれたり、+αの付加価値があります。
僕自身がおすすめだと思うエージェントはこの辺です。
・WithConsul
・フリーコンサルbiz
・ハイパフォコンサル
今はプレーヤーがどんどん出てきている状況ですが、テキトーなことをやっているプレーヤーは淘汰される、あるいはビジネスモデル自体を転換する必要性に迫られたりするだろうなぁと思っています。
4. 良く聞かれる質問について
自分の経験の切り売りでしょ?
これに関してはあんまりフリーコンサルかどうかは関係ないと思います。
それよりも、クライアントの期待がジュニアロールなのか、シニアロールなのかだと思います。
クライアントが手足を動かせるジュニアロールを期待しているのであれば未経験領域でも依頼されますし、逆に案件をリードするシニアロールを期待しているのであれば経験領域でないと厳しいです。
これに関してはコンサルファーム勤務でも同じだと思います。
極端な例ですが、一貫して金融機関向けのシステム案件をやってきた人が、シニアロールを期待されているのに自動車メーカーに対する戦略案件は任せてもらえないですよね。
ファームのナレッジ活用できないんでしょ?
これはその通りです。
グローバルや個々のパートナークラスのトップコンサルタントが持つナレッジを活用するというのは難しいというかできません。
とは言え、フリーコンサルが扱うプロジェクトでファームが持つようなナレッジが必要になるものはほぼないという印象です。
社運を賭けたようなプロジェクトはできないんでしょ?
これもその通りです。(少なくとも現状僕が見えている範囲だと)
やはり社運を賭けたプロジェクトともなると、価値ある提言をして、かつその提言で背中を押すためにはやはりファームじゃないと手に負えないかなぁというのが正直なところです。
今後単価が下がっていくんじゃないの?
個人的にはこれもその通りだと思っています。
既にフリーコンサル市場が先行している米国では単価は下落傾向にあると言われていますし、フリーコンサルエージェントの知人曰く、最近需要(案件依頼)と供給(コンサル登録者数)が逆転したとのことでした。(需要<供給)
なので、とりあえず(短期的に)儲かるからフリーコンサルになろうという発想だとけっこうキツい未来が待っているだろうなと思っています。
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もう少し踏み込んだ僕自身が感じていることや働き方、収入については以下の記事をご覧ください。(赤裸々に書いているので有料にさせてもらっています)
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