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Book Review:影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか(リライト前)


書籍の概要

『影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか』は、ロバート・B・チャルディーニによって書かれた社会心理学の名著であり、人々がどのように説得されるのか、また人々がどのように他人を説得するのかについての心理学的メカニズムを探求している本。

自分なりの言葉に置き換えてしまっているが、この本ではセールスマンや広告マンという中で際立った成績を収めているプロが利用している6つの心理的テクニックにより「騙している」かを書いている。

6つの心理テクニック(自分なりの解釈で名前を変えている)

、大きくこの6つに分類してくれていることで、網羅的に心理的テクニックを理解できる。これらのテクニックに対する対抗策も本の中で書かれているが、もっとも成績を出しているセールスマンは、これを『悪意』を持って利用していない(と思ってしまうほど染み付いてしまっている)というのがゾッとする怖い話として、興味深いポイントとして何回も現れるのが良い。

読むべき人

マーケティングや広告に対して否定的な感情を抱く方にも、ぜひおすすめしたい内容があります。

多くの人がマーケティングや広告に対して不快な印象を持つことは理解できます。しかし、その背後には興味深い事実や価値が隠れていることがあります。こうした視点を持つことで、広告やマーケティングの背後にあるストーリーをより深く理解し、その魅力に気づくかもしれません。

例えば、広告は製品やサービスをより多くの人々に伝える手段として利用されています。そして、その背後には企業やクリエイターが情熱をもって取り組んでいることがあります。彼らのストーリーやビジョンを知ることで、広告の意義や価値を新たな角度から見つけることができます。

また、広告は時折、社会問題や文化的なアイデンティティを反映する重要なメッセージの一環としても機能しています。そのため、広告を通じて社会的な議論や変革を促進する役割も果たしています。

したがって、マーケティングや広告に対するネガティブなイメージを持つ前に、その裏にあるストーリーや価値を深く考えてみることが、新たな視点を提供し、興味深い発見をもたらすかもしれません。

自動反応の効果 

成功率の違いを生んでいるのは、どうやら「急いでいるので」という言葉全体ではなく、最後の二字だけ、「ので(because)」だったようなのです。三番目のやり方では、理由らしい理由を述べるのではなく、言わずもがなの内容に「ので」という単語を添え、「すみません……五枚だけなのですけど、先にコピーをとらせてくれませんか。コピーをとらなければならないので」と頼んだのです。その結果、この条件でもほとんどすべての人(九三%)が譲ってくれたのでした。

ロバート・B・チャルディーニ. 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか (Japanese Edition) (pp.27-28). Kindle 版.

コピーの順番を譲ってもらう際に「〜ので」という理由につながる接続詞(急いでいるので、)をつけるだけで60%の成功率から94%の成功率に変化する実験結果。
この結果を踏まえ、「コピーを取らなければならないので」という理由になっていない理由(ので)をつけるだけでも93%が譲ってくれた。
何か人に対して譲歩するときに単純に譲歩するのは憚られるので、理由を確かめる、という目的が手段に変わり、人が瞬間的に判断するときには自動応答で「ので(because)」が付くだけで許可してしまうという一例。

人間の行動をつかさどる基本的な心理学の原理であり、この原理が、用いられる戦術の力となっています。本書ではこの六つの原理──返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性──を取りあげていきます。これらの原理は、社会でどのように機能するのでしょうか。また、説得のプロたちは、それらの原理がもつ巨大な力をどう巧みに組み合わせ、購買、寄付、譲歩、投票、同意を獲得する要請に仕立てあげていくのでしょうか

ロバート・B・チャルディーニ. 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか (Japanese Edition) (pp.11-12). Kindle 版.

先の「ので」をつけるだけという理論はこのカテゴリーには直接分類されていないのですが、この本を読んだうえで分解すると、一貫性(AをされたらBをする)と社会的証明(みんながBをするならBをする)ということの合わせ技一本といえるのではと考えています。

関連書籍

この本に関連する本として、東大の生協でベストセラーにもなったと言われているダニエルカーネマンの本をご紹介します。

ダニエルカーネマンはこの心理学の自動判断モジュールについて研究し、ノーベル経済学賞を受賞しています。

人間の心理的な反応をファストモジュールとスローモジュールというふたつの判断基準によって構造化し、説明しているので、先の「影響力の武器」の内容もより厚みをもって理解できるのではないかと思います。

以上

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という文章を改めて、本の内容を踏まえてリライトしてみようと思います。

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