大根の皮、、、

オレは家に帰って着替えをすると必ずやることがある。冷蔵庫を開て食材を確認するのだ。
その日、めぼしいものはなかったが、野菜室のすみっこに大根の皮が3センチ幅で三枚ほどあった。今日はこれか、と思いつつ取り出して洗った。
このまま糠漬けにしてもいいのだがそれじゃ今すぐに食えない。
オレはまな板と包丁を出して大根の皮を千切りにした。
それを小鉢に入れ、醤油をまわしかけた。醤油が馴染むようにかき混ぜておいて大葉を適当にちぎった。
さて、しばらくすると大根の皮がしんなりしてきて水分が出てきた。
その薄くなった醤油を捨ててしまう。
そこへちぎった大葉と一味唐辛子を入れて新たに醤油をタラーリといれて全体をよく和えたら、あら、もう完成だ。
馴染ませる時間はかかるが、手間はほとんどかからない。
オレはポットと芋焼酎を用意した。
そば猪口にお湯を半分ほど、上から芋焼酎をゆっくり注ぐ。
グビリ。
芋の香りがグッとくる、すかさず、大根の皮を一箸。
ポリパリ。
さわやかな歯ごたえ、ポリポリ、大根独特の香り、大葉の風味、そして唐辛子の刺激、そいつらを醤油の旨味がすっぽり包む。
ぐびぐびグビリ。
ポリパリポリリ。
なんと安上がりな秋の夜長。

ラー油やら酢やらいろいろ足したくなるのをグッとこらえてひたすらポリポリするオレだった。

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