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その夜の鍋

その晩は、何を食ったらいいか思いつかなかった。そんな時は鍋だ。コレといった食材も無いが思いついたモノをどんどん入れていく。
とりあえず、鯖の水煮缶を汁ごと入れた。これで基本の出汁も大丈夫だろう。水を足して火にかけた。さあ、具を入れていこう。
キャベツ、えのき、しめじ、もやし、竹輪、カニかま、ウインナー、もう鍋がいっぱいだ。
グツグツいってきた。
醤油味にしようか、いやいやちょっとまて、アレ入れてみよう。
鰹の塩辛。
炒め物やアヒージョには使ったことがあるが鍋に使うのは初めてだ。瓶の底に中途半端に残っていたので全部入れてしまった。
ひと煮たちしたら、芋焼酎の炭酸割りをぐびりとしてから、先ずは、オツユをずずっ。
んっめええ。いいなあコレ。
鯖缶の汁と塩辛だけなのに旨味が凄い。
食ったこと無いが、しょっつる鍋ってこういうことかもしれない。
翌日、家の人は残りにうどんを入れて食っていた。そりゃ旨かろう。
具材を工夫したら面白い鍋が出来そうだ。

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