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赤ワイン煮

牛肉の切り落としが安かったので買ってきたが、そのままになっていた。
早めに食ってしまわないといけない。
玉葱と人参をスライスして大蒜と一緒に鍋で炒めた。わりとしっかり炒めた。
それから肉を入れて更に炒める。薄切りの切り落とし肉だからすぐに色が変わる。
ちょっと塩胡椒して呑みかけの赤ワインを全部入れた。月桂樹の葉っぱも入れておいた。なんかおまじないみたいだ。
後はほったらかし、グツグツ言わせておくだけだ。10分なのか30分なのか知らないが、アルコオルが飛んで、肉が柔らかになれば、切り落としだから時間はかからない、味見して、塩胡椒でいい加減にした。
ここで、思い出して、半端だった冷凍庫の舞茸を入れたので、舞茸が煮えるまでもう少し煮込んだ。
500円しない、安いワインだがはるばるスペインからやって来た。普通に呑める。
これだけの簡単なことで矢鱈に旨いのだ。
玉村豊男さんの「料理の四面体」という素晴らしい本がある。
無限にある料理の本質を突き詰めていくと、大さじ何杯とか、中火で5分とか、バカらしくなる。
この本の冒頭に出てくる、羊のシチューの旨そうなこと、そしてシンプルなこと。
しょせんは、焼くか、煮るか、揚げるか、生か、ということで難しく考えないのが肝心だな。
呑みかけのワインは使ってしまったのであわてて買いに行った。慌てる必要は無かったが。

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