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『銭湯から広げるまちづくり』から、コミュニティを学ぶ

こんにちは。今日はお日様も顔を出さず、とても寒いです。
先週まで夏日とか言ってたのが嘘みたいです。体調もきついですよね。
さて、今日は本の感想を書いてみたいと思います。

私は今、オンラインスクールでコミュニティについて学んでいるのですが、そのゼミで「小杉湯」という言葉が出てきたのです。その時は気がつかなかったのですが、なんか全く別のところで、聞いたことあったな…?と記憶をたぐって思い出したのがこれ。

そう今私の中で最もホットな論客である木下斉さんが、Voicyの有料放送で取り上げていたのでした。これは聞かねば!と思い、対談の元になった本と共にポチリ。

小杉湯とは、東京は高円寺にある老舗銭湯。元はここの常連客だった著者が、番台さんとの雑談から、隣にある風呂なしアパートに住むことになり、解体までの1年間を過ごしながら地域の仲間と自由な企画を実行していきます。その後、解体した後の土地に新たなコミュニティスペース「小杉湯となり」を建てることになり、元のアパートの住人たちが会社を作って運営していく…という内容です。

まず興味を引いたのが、著者は建築家でありこれらプロジェクトのコアでありながら、ワンマンでこれらの事業を成功させたわけではない、というところ。周りを巻き込み、銭湯のお客さんを巻き込み、そして地域を巻き込んで、結果として地域に広がるコミュニティを形成しているというところです。もちろん、巻き込み方が上手だったという要因は不可欠でしょうが、いわゆる「この人がいなければ成立しないコミュニティ」というわけではなさそうなところが、すごくいいなぁと思ったのでした。

さらにここでは、コミュニティの真ん中にあるのが銭湯という「生活の場」だったというのがすごく効いているように思います。生活の一端だから、お風呂に入るという目的を共有した人たちが来る。でも、コミュニケーションが目的の場所ではないから、おしゃべりしたい人はするし、したくない人はしない。そんなゆるいつながりが存在しています。
そして、そのゆるいつながりをそのまま隣にスペースとして作った「小杉湯となり」でも上手く機能しているのが素晴らしいなぁと思います。このゆるいつながりを意図的に作るってすごく難易度高いような気がするんですよね。それを実現して、ましてや事業として成功させるって、正直すごい!真似できない!と思ってしまいます。

でも、そんな小杉湯となりも、オープンした途端にコロナ禍に見舞われてしまい、いきなり苦境に立たされたことも描かれています。普通ならかなり絶望的な状況です。でも、関係者に「主体的に役割を担ってもらう」という方法で試行錯誤していき、結果として利用者を増やしていくことになる過程は本当に素晴らしいと思いました。
主体性って「主体的にやれ」と命令しても育まれないんですよね…。
子育てしていてもいつもぶつかる壁です。マネジメントする立場では、思い通りにならないと、全部自分でやっちゃおうとしがちなんです(自分のことです、反省)。
ここらへんも絶妙な距離感で問題をクリアしていくのは素晴らしいなと思いました。

そして、そんなふうに主体性を持ってもらえると、今度は関係者がどんどんそれをまちに広げていき、さらには別の場所や他県まで広げていくというのが面白かったです。
人って自分がいいなと思ったことって、自分でもやってみたくなるし、それを違う人にもいいなと思ってもらいたいものなんですね。
ここまでいくと、いい循環で広がっていくんだなぁと、とても興味深かったです。

そんな感じでとても学びの多い一冊でした。オンラインスクールのゼミにも、小杉湯の関係者の方がいらっしゃるので、いろいろ話をお聞きしてみたいです。そして自分も行きたい!行ってゆっくり銭湯入りたい!!うーん、長男の受験が終わるまでは無理かな??

それでは、長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。ポチッとスキってっていただけると、とても喜びます!

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