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銅の特徴、主な規格の種類、他の材質との比較について

これだけは知っておくべき銅の性質のポイント
・展性、延性が非常に優れており、 銀に次ぐ非常に高い導電性・熱伝導性を持っている
・強度がかなり弱い

優れた導電率・熱伝導性を生かして精密機器に利用される銅について

銅はJIS記号では英語で銅を意味する"Copper”のCに続いて4ケタの数字を付けることで表されます。合金の種類によって1000系から7000系まであります。

銅の最も大きな特徴は導電率と熱伝導率が抜群に良いことです。一方で高価な材料であるため、構造部品として使用することはほとんどありません。

すなわち、機械的性質ではなく、物理的性質と化学的性質を活かす材料です。昔は農耕具や銅鐸に使われていましたが(耐食性に優れているため多くが現代にも残っています)、現代では優れた導電率や熱伝導性を活かして、情報通信や精密機器などの先端産業に使われています。

銅の7種類の特徴

銅は多くの性質をもった金属です。中でも導電率の高さや熱伝導率の高さ、加工のしやすさが特徴であり、その特徴を利用した製品によく使われます。導電率、熱伝導性、加工性以外にも耐熱性、耐食性や金属光沢により外観が美しいなどたくさんの特徴があります。

・導電率が高い
銅の最大の特徴はこの導電率の高さです。銀に次ぐ性質であり、価格との関係により電線などには銅が使用されています。

・熱伝導率が高い
熱の伝わりやすさは鉄鋼材料やアルミニウムよりも優れており、この性質は銅鍋が食材を均等に加熱できる点に表れています。

・加工性に優れている
銅が大昔から使われている理由のひとつが加工のしやすさであり、特に切削加工や圧延加工に適しています。またメッキやハンダ付けが容易な金属です。

・熱に弱い
200℃を超えると軟化するため、通常200℃以下で使用します。低温側の劣化はないため、問題なく使用できます。

・耐食性が高い
耐食性にも優れており、中でも他の金属が苦手とする海水に対しても良好な耐食性を持っています。ただ、硝酸、塩酸、硫酸等の化学物質には侵されるため注意が必要です。

・見た目が綺麗に仕上がる
金以外で唯一金色の光沢をもつ金属です。そのため、工芸品にも使われます。

・磁性がない
非磁性を生かした用途として、磁気厳禁の電気機器の測定器や化学工業の防爆用工具として使われています。

銅を代表する4種類の規格

・純銅
純銅は純度が99.90%以上で、酸素の含有量によってタフピッチ銅(C1100)、りん脱酸銅(C1201、C1220)、無酸素銅(C1020)に分類されます。

純銅は導電率や熱伝導率が非常に高いため、導線や電子機器材料によく使用されます。

・ベリリウム銅(C1720)
ベリリウム銅は銅にベリリウムとコバルトを加えた特殊合金(C1720)です。引張り強さは炭素鋼を超える高強度材料です。

高価で非常に加工しにくいために用途は限定されますが、600℃近辺まで使用可能です。特殊ばねや火花がでない性質から防爆工具にも利用されています。

・黄銅(真鍮)
黄銅は銅(Cu)と亜鉛(Zn)の合金で、真ちゅう(真鍮)と呼ばれています。合金の比率によって銅70%と亜鉛30%の70/30黄銅(C2600)、65%と35%の65/35黄銅(C2680)、60%と40%の60/40黄銅(C2801)があります。

黄銅は銅の比率が下がるにつれて、引張り強さと硬度が増します。しかし銅の比率が60%未満になると脆さが出てくるため、一般的に黄銅としては銅含有率が60%以上のものが使われ、60%未満のものは銅鋳物の材料になります。

・リン青銅
リン青銅は銅とスズの合金で、脱酸にリンを用いるため、合金中にわずかにリンを含有しています。リン青銅は高いばね性を持っているため、測定器のスイッチの接点材料に使われています。
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