見出し画像

二度重心論01 「スケールの重心」という概念

はじめに

音楽が数学的なものである以上、音階は美しい形でなければなりません。

それにも関わらず、現在の1度を基準音としたメジャースケールは不規則な並びとなっており、決して数学的とは言えません。

長音階は不規則な間隔を持つ

そこで、試しに2度を基準音として考えてみたところ、音階に美しい対称の形が現れたため、記事にしました。

※この記事に書かれている主張はあくまで私の仮説であり、既存の音楽理論とは異なるものです。

「主音」の機能を分解する

現在の音楽理論において、主音は2つの異なる役割を持っています。
1つは、「安定音」としての役割です。これは、曲のメロディーやハーモニーにおいて、1度の音が穏やかな基点を与えることができるということです。
曲の中で、主音が強調されたり、曲の最後に戻ってくることなどによって、曲全体を安定させ、印象を強めることができます。
これにより、曲がより強固な構造を持ったものとして感じられます。また、主音を基点としたハーモニーやメロディーによって、曲全体が単調でなく、多様な音色を持ったものとして表現されます。
このように、主音は曲全体の安定音としての役割を果たすとともに、曲をより印象的なものにする重要な要素となっています。

そしてもう一つは、「基準音」としての役割です。
音楽において、主音は他のスケールと併用する場合にも重要な役割を持っています。特に、主音は他のスケールを使った場合に基準音としての機能を果たします。
例えば、いくつかのスケールを同時に使って曲を作る場合、各スケールがどのように絡み合っているかを定義する必要があります。このような場合、主音は各スケールの関係を示す基準音となります。
また、各スケールが主音からの相対的な位置関係に基づいて定義されている場合、主音はそれらを整合させるためにも重要な役割を果たします。これにより、複数のスケールを使って作られた曲が完全かつ統一的なものとなり、聴く人により強い印象を与えることができます。
このように、主音は他のスケールと併用する場合にも基準音としての重要な役割を持つことができます。

①鍵盤の対称性

スクリーンショット (232)

まず、最初に鍵盤を見て下さい。鍵盤はCではなく、Dを中心に対称に配置されています。

これは全音と半音の並びがDを中心に対称であることを示しており、またトライトーンを作るBとFは対称に存在します。

スクリーンショット (231)

一方Cを中心とした場合鍵盤に法則性が存在せず、またBとFの位置についての必然性がありません。

②五度圏の対称性

スクリーンショット (233)

次は五度圏を見て下さい。灰色でない部分がCメジャースケールの構成音です。

両端にトライトーンを作るBとF,そして中心にDが存在することでメジャースケールは規則正しく並んでいます。Cは端から二番目と中途半端な位置に存在し、中心と呼ぶには不適切といえます。

また五度圏において対角線の位置にある二音、つまり減五度のインターバルが鳴るとキーが判明することがわかるため、そのような方向性からもBとFはメジャースケールにおいてとても重要な役割を果たしていると言えます。

(余談ですが、ペンタトニックスケールは4度と7度を抜くことで属調や下属調である可能性を捨てない所が魅力だと思っています。)

③12音階の対称性

スクリーンショット (234)

次に、12音階を半音づつ並べて円形にします。並びは鍵盤と同様であるため、当然ながらCメジャースケールはDを中心とした対称の形となっています。五度圏と同様にBとFは対角線上に存在し、その間にDがある特徴的な並びとなっています。

スクリーンショット (235)

五度圏と半音ごとの円形を並べると、B,D,Fはこれ以上ないほど特徴的な位置に存在している一方、Cはあくまでもメジャースケールの構成音の一つというような位置に存在しています。

これらのことから、複雑な理論を用いずとも直感的にメジャースケールの中心音は二度であると主張することは自然であると考えられます。

おまけ:中心軸システム的TSD

次にBéla Bartókの中心軸システムを追加します。中心軸システムとはトニックやサブドミナント、ドミナントといったの機能論を拡張するものであり、この考えにおいては短三度の関係にある音を同じ機能と捉えることで、12音を3つのグループに分けます。

スクリーンショット (236)

五度圏上において、両隣りは中心の4度と5度です。音程の機能がトニック、サブドミナント、ドミナントの3つであるならば、それぞれが4つづつ存在することで12音が構成されていると考えるのは自然であると言えます。

私は、これが音程の本来あるべき形であると考えています。なぜならDを中心とする以上に美しい音程の並びは存在しないからです。

最後に

読んで下さりありがとうございました。賛成意見や反対意見などをtwitterなどを通して教えて下さると嬉しいです。

一応調べてみて、あまりここまで二度を中心とした考え方がなかったため記事を書いたのですが「もうその考え方結構普及してるよ」という方はそれらを教えて頂ければと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?