劇場型迷惑メールの記録

これは、迷惑メールと2週間にわたりやり取りをした全記録です

第1章~出会い~
最初の迷惑メールが届く、本文は
「明日って暇?」
知らないメールアドレスからだったため、だいぶ怪しかったですが、
「ごめん、仕事」
と、返信をしました。すると
「あれ?宛先間違ってますか?知人の男性へ送っているつもりなのですがあなたは男性ですか?」
どこに間違いを疑う要素があったのか謎、そして確認の方法が最初に性別でくるのも怪しかったです。そして続けて
「失礼ですが個人情報の問題があるので先に誤送信か確認したいです。なのでお聞きします、男性の知人に連絡しようとしたのですがあなたは男性ですか?」
こちらからは、基本知人とのやり取りしていないEメールのアドレスでしたのでその旨を伝え誤送信の可能性が高いことを伝えました。

「私、小松桃って言います。
 すみません、知人と間違えてメールをしてしまいました。
 アドレスを見直したら間違えだと気づきました。元々メールを送るはずだった知人とは連絡が取れました、ありがとうございます。
 これも何かのご縁ですし、少しお話しませんか?」
個人情報の問題を気にしていたわりに、フルネームを語ってきました。

※迷惑メールということは知りつつも、ここまでのやり取りの中で
別サイトへのリンクなど一切なく、なにが狙いなのか興味がでてきたため
とりあえず、やりとりを続けていくことを決意。

第2章 ~人物像~
出会いから2日目以降、彼女の人物像につながるやり取りが
ある程度続きました。
・年齢は27歳(このときこちらに未成年かどうかの確認あり)
・東京品川に住んでいる
・広告代理店に努めている
・休みの日は料理をしている(得意料理はオムライス)
・仕事が忙しく、気晴らしに温泉に行きたいと思っている。

そんな情報をやり取りし1週間ほど。
ちなみにこちらも年齢、職業、住んでる地域についてそれとなく
偽の情報を伝えておきました。
このようなやり取りの中にも、こちらに対して

「忙しくない?メールして仕事の邪魔になっていないか不安」
のように、優しい気遣いをみせてくれた。

第3章 ~特別な環境~
ある日、このようなメールが届いた

「Aさんおはよう!
そういえば昨日さ、休日出勤だったんだけど仕事中にミスをしてお父さんに電話でおこられちゃった(;^_^A
 まだ言ってなかったと思うけど、お父さんの経営する広告代理店でお兄ちゃんと私は働いているんだよね。
 それでAさんにちょっと相談があるんだけど、聞いてくれるかな?」
・・・
「相談っていうのは、私、友達が少ないんだ…
それには理由があって、自分が企業経営者の子供って立場だからまわりの人が気を使ってプライベートの付き合いをしてくれないんだ・・・(^_^;)
だからAさんには私を経営者の子供だとか関係なく接して欲しいんだよね。このお願い聞いてくれるかな?」

どうやら彼女はお嬢様のようで、立場関係なく気兼ねなく話ができる関係を欲していたようです。どことなく有名人からメールが来るみたいな展開です。
その後彼女から、お兄さんが将来的に会社を継ぐことになるから、そのときにお兄さんの力になれるように自分も頑張らないといけないから、めげずに頑張りたい、という気持ちを聞くことができた。
・・・ここまで怪しげなリンクは一切なし

第4章 ~急展開~
出会いから11日ぐらい経ったぐらいでした
彼女からこんなメールが

「驚かせちゃったよね、ごめんね。
 さっき連絡がきて、手術は成功したから命に別状はない事がわかったからちょっと安心したよ。
 でも意識が戻ってもしばらく入院が必要で後遺症が残っちゃうかもしれないんだって。
 今からお父さんが病院に行くって言ってたから詳しい事は後でお父さんに聞くんだけど・・・

 取り乱しちゃってごめんね。なんか恥ずかしい所見せちゃったよね?」

どうやら私のところに1通メールが届いていないらしい。
誰に何がおこったかよくわからず、もどかしい思い。
※もしかしたら彼女の気が動転していたからかもしれません
ただ次のメールで

「今日は本当にありがとう。
 Aさんがいてくれなかったら気が動転して冷静で居られなかった。
・・・」

私の知らないところで、彼女の支えになれていたようでうれしかった。
そこから数日ほどのやりとりにより、どうやらお兄さんが交通事故にあったことがわかった。
彼女は会社を継ぐと思っていたお兄ちゃんが急に働けなくなった兄に対してどのように接したらよいか、彼女自身どのように振る舞うべきかでとても悩んでいた

※ちなみにここらへんから、こちらの返信内容についてほとんど触れず会話が成り立たないようになった。

最終章 ~彼女の決意~
 会社役員であった兄の事故により、急遽大きな会議が開かれることになった。そこで彼女は兄に変わり進行役として会議に同席することに・・
 会議を無事に乗り切った彼女だったが、その夜、父親から明日大事な話があると電話で呼び出される。彼女は兄の代わりに会社を継ぐことになるかもしれないと不安を抱えるが、Aさんの存在に勇気をもらい、父に自分の思いを正直に伝える決意をする。彼女にとってAさんはすっかり大切な存在になっていた。

 そして彼女から、こんなメールが届いた

「急にごめんね。
 お兄ちゃんの足が治るまで時間が掛かるから、私も役員として会社の経営に参加することになったよ。
 役員になる前に身辺調査があるから携帯を一旦解約して個人的なメールの履歴をみられないようにしないと行けないんだ。
 一時的な事で、身辺調査が終わったらまた携帯を契約できるからそれまで無料のチャットでやり取りできる?
 チャットの招待状送ってもいいかな?」

やっときました。多少流れに無理な部分がありますが、私は彼女のすすめるチャットツールでやり取りをしなければならない状況になりました。
その後、招待状といわれるメールが届いたかどうか心配するメールが数回届き、無事私は迷惑メールのオチとなる、怪しいチャットへのリンクが送られてきました。
 ここまで14日間。どきどきはらはらな日々を過ごすことができました。

※ちなみにいろいろと他の体験者さんの情報を統合すると、彼女の勧めてきたチャットツールは、いつのまにか有料になり、退会するには招待者の同意が必要というものらしいです。
この経験談により1人でも多くのかたが、迷惑メールの被害から救われることを祈っております。

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