原宿ループ

地方の小中学校の修学旅行。
東京での人気スポットといえば、私が小学生だった約30年前は、ディズニーランド・東京タワー・竹下通りだった。
夢の世界・象徴・最先端だ。

現代では、東京タワーがスカイツリーに変わったくらいで、夢の世界と最先端は不動だ。

竹下通りは異質だ。
世界でもこれと似たエリアというのは存在しない。竹下通りは世界で唯一の存在だ。
クレープ、ジャニーズショップ、プロマイド、プリクラ、アクセサリー、古着、わたあめ、タピオカ、コスメ、黒人の客引、いつもタイムセールのバッグ屋、、、

正直、こう並べてみても大したものは無いのに。
地方の小中学生からすれば、流行の最先端なのだ。私たちが抱いていたのと同じように。

おそらく竹下通りはこの先10年後も30年後も100年後もそういう存在としてあり続けそうだ。
タピオカが得体の知れない違う何かに変わることがあっても、竹下通りは永久に不滅だ。

原宿でビジネスを始めてもうすぐ10年になる。
10年前と変わったことといえば、外国人観光客が格段に増えた。
特に東南アジア、欧米が増えた。統計で見ても明らかだ。
日本人の憧れのスポットであり、世界中の憧れのスポットでもある。

原宿に住んで約5年。
感じることは、至って普通の場所だということだ。
道を一本入れば静かな住宅街だし、渋谷や新宿みたいに深夜まで営業している店はほとんどないから治安も悪くない。
図書館や保育園もある。
クリーニング、スーパー、米屋、青果店、酒屋、歯医者、薬局、ジム、世話好きなご近所さん、芝生が綺麗な公園、、、

生活環境は良い方だと思う。

原宿は街全体がブランディングされた存在だ。流行の最先端、憧れの街、若者文化の象徴、芸能人の登竜門。

今年は更に原宿は変貌する。
駅舎が改築され、駅前にはIKEAなどが入居する大型商業施設も建設中だ。
神宮前交差点にも商業施設の建設が予定されている。
そして何より東京オリンピックの会場である国立競技場や代々木体育館に近接する原宿エリアには、より一層人が集まる。

人が循環し、お金が循環する。
この原宿ループは永遠に止まることは無さそうだ。
なのにこのタイミングで私はそのループから外れて熱海にいるのはなぜだろう。

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