登山に魅了されて

わりと好奇心旺盛だった私は色々な趣味を子供の頃から齧ってきた。
そのほとんどは食べかけのリンゴのように、2、3口齧っては飽きて捨てられてきた。
それでも、登山とサッカーだけは飽きずに継続している。サッカーに関しては、もうボールを蹴ることはなく、観戦と選手やチームの動向を見て楽しむくらいになってしまった。
たまの空想では、全盛期の自分が登場してきて、精度の高いパスとディフェンスで相手を翻弄するわけだが、実際やったところで、逆に相手とボールに翻弄されるのは自分だということは、容易に想像できる。

登山は自分の年齢や体力に合わせて続けられる。
幼少よりボーイスカウトでアウトドア好きだった私は、高校入学とともに山岳部に入部した。そこに迷いはなかった。
その山岳部の魅力は、毎日活動があるのではなく、月水金の週3日だけという点にもあった。活動のない日は、友人たちとサッカーしたり、バイトしたり、一応勉強したりと、自分の好きな時間に使った。
月に1、2回は週末に部活動として、周辺の山に登った。週3回の部活動は一体何をしているのか、よく友人に聞かれた。基本的には、体力づくりだ。10kmマラソンや筋トレ、二人一組で手押し車やおんぶで公園周回。校舎の非常階段をおんぶで登り降りする姿は、他の部活から笑いの的だった。
そんなルーティンに嫌気をさして、入部した同級生の半分以上は、1年で退部した。
私も退部を顧問に相談したが、見事に丸め込まれて、なぜかそのまま部長にさせられてしまい、結局3年間どっぷりと登山にはまることになった。
今でさえ登山はカッコいいスポーツのように映るが、当時は山岳部はダサいイメージしかなかった。
サッカー部や野球部のように、日の当たる部活ではなく、暗い陰のような存在だったから、私も山岳部であることは、聞かれても隠していることが多かった。
今となってみれば、山に登っていて良かったと心底思う。

当時はテン泊で夏山、冬山に登った。
北アルプス、南アルプスは顧問に率いられて、苦しい思いをしながらも歩いたことは良い思い出だ。
数年前にトレランにハマっていたとき、右膝を痛めてしまった。病院に通ったものの完治はせず、日常生活は全く問題ないが、10km以上山道を歩くと痛くてたまらなくなる。
それでも山はやめられず、いつか良くなることを願い、リハビリの思いでたまに山に出掛けている。
どうやら、歩き方を根本的に見直さなければ、本当に良くはならないようだ。しかし歩き方を変えるというのは難しい、、、。

熱海には、アルプスに登るような登山者を満足させるくらいの山は残念ながら無い。
伊豆半島全体を対象とすれば、標高はないものの、景色を堪能できるハイキングロードはある。
熱海の十国峠は、頂上の展望台から360度の景観と富士山を眺めることができる。その十国峠を終着点としたハイキングルートがあり、最近私はAirbnbで体験ツアーを提供し始めた。
これがまた面白く、また別の記事で紹介したいと思う。

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