なぜに鰻といえば浜名湖

先週土曜日のブラタモリ「ウナギといえば浜名湖なのはなぜ?」は非常に濃い内容だった。
その理由がよく理解できた。
出身地でもあり鰻好きの私だが、その理由も知らずに鰻を語ってきたことが恥ずかしくなるくらいだ。

うちの家族も鰻好きで、子供の頃はたまに昼食や夕食が鰻だった。近所に御用達の鰻屋があって、そこに予約された鰻を取りに、お使いに行かされた。
その鰻屋は茶畑に囲まれた住宅地にあって、地元の人にしか知られていないような店だった。どこかで修行してきた店主が開いた店だと記憶している。
いわゆる「関西風」で、蒸さずにパリッとした食感が特徴だ。
これに慣れてきたからか、今でも鰻の蒲焼といえば関西風が好みだ。

浜松で「鰻を食べたい」という外から来たお客さんの期待に応えるための店も用意してある。
その鰻屋は駅からは遠い郊外にあるので、車を使わないと辿り着くことはできない。
しかも予約は受け付けていないので、行って席が空いていればラッキーだ。空いてなければ店の外で、鰻を焼く香ばしい香りを嗅ぎながら、耐えて待つしかないが、待つ価値はあると思っている。
この鰻屋の特徴は、店主が生きた鰻を客の目の前で捌くことにある。カウンター数席の小さな店なので、その光景をライブ感たっぷりと眺めることができる。店主の手にかかればあっという間だ。
SNS映えバッチリ。動画撮影がオススメだ。
壁一面、ジュビロ磐田の選手のサインで埋め尽くされている。新入団選手は、だいたいこの鰻屋に連れて来られるようだ。
おじいさんとおばあさん二人で切り盛りするこの鰻屋だが、「もう年だからいつまで続けられるか、、」と寂しい呟きを聞くたびに、その日が来るまで通い続ける決意をしている。

ブラタモリの話題に戻るが、鰻養殖が浜名湖で盛んに行われるようになった理由は、水質と地質にあるそうだ。
汽水湖である水質、天竜川が運んできた土壌が大いに関係している。さらに汽水湖になった原因とされる大地震による津波。その自然現象が鰻養殖に最適な環境を作り出したとのこと。
加えて、東海道線の車窓から見える「鰻日本一 浜名湖」の看板効果で認知されたという点を挙げていたことも面白かった。

さて今日は浜松出張だったので、鰻といきたかったが、もう一つの静岡グルメ「さわやか」のハンバーグの誘惑に負けてしまった。
高価な鰻は誰かにご馳走いただくまでお預けとしよう。

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