NovelAI生成イラストを美しく加工する方法
最近、NovelAIイラストを加工するためにCLIP STUDIOを導入する方をちょこちょこみかけるようになってきました。
CLIP STUDIOはイラスト描画用ソフトとして、おそらくトップのシェア率を誇るメジャーなソフトです。私の周りですと、8~9割の方がこのソフトも用いてイラスト制作をしています(もちろん私もそうです)。
価格はPROバージョンの買い切りで5000円、月額だと240円。
(*)なお、マニアックな機能が搭載されたEXバージョンは9割以上の方に不要ですので、無視してもらってかまいません。また、DEBUTは別製品の抱き合わせなどで配布されている体験版のようなライセンスで、これまた無視してもらってかまいません。
注意点としては、2023年に買い切りバージョンの廃止が発表されています。買い切り版でもソフトを使い続けることはできるので問題ないと思われますが、不安な方はよく調べてみてください。
さて、本題に入りましょう。
CLIP STUDIOを用いた加工によって、高画質化したNovelAIイラストを美しく見せる方法を紹介します。
なお、生成イラストを高画質化する方法は前回紹介した通りです↓
今回はこちら↓の生成イラストを素材にします。
まずはもっとも基本的な「レベル補正」をかけてみます。
画面上の「レイヤー」→「新規色調補正」→「レベル補正」を選びましょう。
すると以下のようなグラフが表示されます
ここで画面の色合いを調整します。
「入力」グラフの左右どちらかのツマミを任意の長さで動かし、プレビューで納得のいく画面を作ってみてください。
最初は「入力」グラフ左右のツマミだけいじるのが失敗しにくいですが、慣れたら「入力」グラフ真ん中のツマミや「出力」グラフ左右のツマミもいじってみてもよいです。
この調整具合には、明確な答えがありません。
強いて言うなら、明るく/暗くしすぎると細部の描きこみの線が潰れます。それは避けましょう。
自分で「いい!」と思う色味を狙ってみてください。その嗜好が個性です。
個人的には、生成イラストは全体的にほこり被ったようなくすんだ色味のものが多いと感じているので、明るくするのが好きです。
(暗いテーマの絵ならくすんでいてもいいと思います。繰り返しますが、個人的な好みです)
できたのが以下です。
少しだけ明るくなっています。
後に詳しく解説しますが「少しだけ」というのがポイントです。
さらにここから「明るさ・コントラスト」も調整してみましょう。
画面上の「レイヤー」→「新規色調補正」→「明るさ・コントラスト」を選びましょう。
つまみを右に動かせばプラス、左に動かせばマイナスです。
「コントラスト」とは色が暗いところと明るいところの色差をさします。
ここでの調整具合にも、やはり明確な答えはありません。
やはり細部の描きこみが潰れない程度の範囲で、自分好みの画面を探します。
やはり個人的な好みになりますが、私は明るく、コントラストが効いた絵が好みであるため、明るさをわずかに上げ、色がつぶれない限界までコントラストをあげました。
こうなりました。
並べると、こうなります↓。
ひとつひとつは微妙な差異ですが、小さな差異の積み重ねが最終的な仕上がりに大きくかかわってきます。
実のところ、イラスト加工というのは「組み合わせ」と「積み重ね」が重要な分野です。
もう少しわかりやすくなるように比較してみましょう。
半分に割ってみると、大きく変わっているのがわかるかと思います。
当初の狙いである「AI生成イラストに見られるくすんだ感じ」を「明るくコントラストの効いた感じ」にするという今回の目的は達成できたと言えます。
(イラスト加工には明確な答えがないので、迷走しないためには、意図を明確化しておくのは大事なことです)
さて、ここからは応用編です。
ここまでで紹介した「レベル補正」と「明るさ・コントラスト」は基本中の基本ともいえる加工技術で、他にも多くの手法があります。
正直に言えば、星の数ほどあって、すべてを紹介するのは不可能です。
事実として、世にあるきれいな商業イラストは、線と色だけで構成されているのではなく、こうした加工が幾重にもかけられています。
加工は盛れば盛るほど豪華になりますが、商業的な視点で言うと作画コストが上がります。また、盛り方が下手だとけばけばしくなる危険もあります。
そのあたりのバランスが肝になります。
こうした加工技術は「仕上げ」と呼ばれます。本当に種々様々なので、興味を持たれた方は検索してみてください。幸い、インターネットには仕上げのノウハウが溢れています。
せっかくなので最後に、ちょっと派手めな仕上げを用いたバージョンを紹介します。
以下のサイトで紹介されている手法(スターバーストディフュージョン)に今回の記事で紹介した手法(レベル補正、明るさコントラスト)を組み合わせたものです。
「レベル補正」「明るさコントラスト」とどんなイラストにも最終調整として用いられることが多い、汎用性の高い手法です。
ぜひ、自分好みの仕上げ手法を探し出し、組み合わせてみてください。
なお、余談ですが、今回の加工イラストを生成するためのプロンプトは以下の記事(『極東導本 For NovelAI Diffusion』)からお借りしました。
p29の「ガーデニング詠唱」です。
以下のプロンプトは引用です。
『極東導本 For NovelAI Diffusion』は一読の価値ありです。
怪作ですよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?