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☆ふくしのおべんきょう☆

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もぐりのソーシャルワーカーですが、こそっと福祉のお勉強をしています。
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#インクルージョン

73.多様性と包摂

まずは、東京オリンピックで柔道男子100キロ級の金メダリストになったウルフ・アロンさんの発言です。 “根底で多様性とか…そういうところを気にしてるからこそ、そのような言葉が生まれたり、言わないと分からない人がいたりする。 普段の生活から気にせず生活していけば、差別とか区別とか多様性っていう言葉もなく、みんな平等にやっていけると思います。” まさにその通りで、これができていれば、格差も争いもなくなってソーシャルワーカーも必要なくなり、その職種の人たちももっと違った形で社会貢

66.役割理論とノーマライゼーション

最近は、インクルージョンという言葉がよく使われます。 ソーシャル・インクルージョンのことで、元々はフランスを中心にEU諸国での社会的経済格差の問題から生まれた言葉です。 1970年代のフランスでは戦後復興と福祉国家の諸制度が整いつつも、その中で排除されている人が大勢いる…という状況になり、それを“社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョンsocial exclusion)と呼んだことから始まりました。 その後1980年代に入って、ヨーロッパ全体で若者の失業問題がクロ

64.VUCAに福祉

“当たり前のことを当たり前にこなす” 日本の社会では今でもよく言われます。 その“当たり前”とはどういうことを言うのでしょうか…。 実際のところは人それぞれで“当たり前”という基準は違います。 多様性が求められている現代は、何かを伝えようとする時にはもっと言葉を選ぶ必要があるように思います。 同時に、自分が“当たり前”だと捉えていることが、相手の“当たり前”と一致しているのか…そういうことから考えないといけないものだと思います。 ひとつひとつの動作に根

26.またまた地域共生社会って?

社会包摂は、障害、疾病、国籍、性的指向、年齢、失業、貧困などの様々な理由で差別されて、自由な社会参加や安心した生活、自己肯定感を奪われることがないように社会のあり方自体を変えていこうとする考え方です。 この国から外に出るだけで、日本人は誰もが外国人になります。 そうなると、自分とは違う文化に出会い、なぜ違うのかを考えて、相手の文化への想像力と理解を深めなければ生活しづらくなります。 何度か海外旅行するだけでも、人生観は変わります。 社会包摂とは、共生のことです。

25.また地域共生社会って?

昨年、国内の児童が過去10年間で100万人近く減少したとニュースになりました。 小中学校も3000校以上が閉鎖したとのことです。 児童生徒数が極端に少ない地域の小規模校では、大勢の子どもが参加する集団活動ができないなどの学習機会の確保が課題になっており、自治体は工夫や発想の転換で豊かな学びを提供することが求められている…と、そのニュースの最後に綴られていました。 地域格差というやつです。 少子高齢化による人口減少が進む日本で国発信で行っている対策が、地域共生社会