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劇場版名探偵コナン 黒鉄の魚雷 感想

🚫ネタバレ全開です、お気をつけください🚫

公開日朝9時の回で見ました…もう見終わった瞬間から胸がいっぱいで…率直に言うと…もう本当に

最高だった…。
ずっとコナン好きで良かった…。

心からそう思える作品だった!
去年の「ハロウィンの花嫁」も、見終わってすぐにまた見たくなるくらい、本当に面白くて10月の再上映含めて劇場で計5回見たんですよ。

まさか2年連続で自分に刺さる作品に出会えるわけが無いだろうという気持ち、そして灰原が主役という嬉しさ、黒の組織の映画でありつつ安室赤井が登場する事で灰原が割りを食うじゃないかという不安など、見るまではいろんな感情が渦巻いていたんですが…そんな心配なんかあっという間に吹き飛んで行ったよ…。

■あらすじ

世界中の警察が持つ防犯カメラをつなぐ海洋施設「パシフィック・ブイ」が東京・八丈島近海に建設され、本格稼働に向けて世界各国のエンジニアが集結。
顔認証システムを応用した、ある新技術のテストが行われていた。一方、コナンたち少年探偵団は、園子の招待で八丈島にホエールウォッチングに来ていた。
するとコナンのもとへ沖矢昴(赤井秀一)から、ユーロポールの職員が、ドイツで黒づくめの組織のジンに殺害されたという知らせが入る。
不穏に思ったコナンはパシフィック・ブイに潜入するが、そこでひとりの女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される事件が発生。そして、八丈島に宿泊していた灰原のもとにも黒い影が忍び寄る。

映画.comより

■感想

今作は、全体的に良いなと思う所が何点かあって…

①全体的に展開が早い
②黒の組織がちゃんと怖くてヤバそう
③それぞれのキャラの魅力が詰まってる
④ちゃんとコナンが主人公であり、灰原の主軸のストーリー
⑤これまでの本編、劇場版との繋がりを大切にしている

大きく分けるとこの5つかなと感じました。

①全体的に展開が早い


コナン側と組織側が交互に描かれてて、灰原が捕まってる時はそのシーンも加わるので、止まる事なく、基本的にずっと物語が動いてる印象でした。

あとは、単純にやる事が多いというか、施設の説明、直美さん拉致、灰原拉致、潜水艦の探索、殺人&操作、直美さんと灰原脱出、推理披露、VSピンガ、VS潜水艦と色んなことが起こるのが全体的に退屈せずに見られた要因なのかなと。

②黒の組織がちゃんと怖くてヤバそう

冒頭でジンがキールの肩ごと撃ち抜いてユーロポールの職員を殺害するシーンは「純黒の悪夢」のノック殺害シーンを彷彿しましたが、方法も相まってシリアスさが際立ってた気がします。
何より直美のUSBで灰原=シェリーの画像を見てからのピンガとウォッカが拉致しに来るシーンでは、灰原の怯え具合とコナンの焦り、蘭の本気度(アイリッシュ戦といい蘭は組織相手でも渡り合えてるのすごい)と博士の怒りからの涙で、改めて組織の怖さとヤバさを感じる事が出来ました…!

灰原と直美が捕まってるシーンのドキドキ感や、直美の父が撃たれるあたりも組織のガチ感を存分に味わえたし、謎解きが終わってコナンが1人ピンガを追い詰めるシーンでコナンの正体に気づいてる所、煽られてキレてる所がピンガの有能さと小物感を感じられて好きです。

あと、今作ギャグも控えめというか、ギャグも小五郎がちょっとふざけるくらいで、それに加えて探偵団が早々と退場するのでずっとシリアスなトーンで話が進むので余計そう感じたのかな。

③それぞれのキャラの魅力が詰まってる

去年の「ハロウィンの花嫁」もそうだったんですが、レギュラーキャラはみんなちゃんと良い見せ場的なものがあり、誰も損していない印象で良かったですね…。
キャラが損をするとそれがツッコミどころになってしまい(純黒の元太と博士が最たる例)、色々言われるのが本当に見てて辛いので2年続けてそのストレスがほぼ無くて良かったです。ジンが無能って言われるのはもうこの際、目を瞑ります。

前述の通り、蘭は強いし、今作では灰原が姉の宮野明美に姿を重ねてる描写がある事から、優しい母性に溢れた面も見れた。
博士もおちゃらけずに良いシーンばかりだし、園子もカッコ良くて、捜査一課の面々も黒田管理官が居るおかげかいつもよりも頼もしく、おっちゃんは去年の方がカッコ良かったけど今作は推理ショーがあるので万事OKって感じで。

赤井さんと安室さんは想像していたよりもずっと控えめながら確かな活躍で最高でしたね…。
安室さんは前半バーボンとして、赤井さんは後半でロケランをぶっ放しに来ますが基本は後方支援のみ。安室さんが活躍する場面では、前作「ハロウィンの花嫁」で使用されていた印象的なBGMが2種類再利用されていて嬉しかったです!
コナンが半ば無理やり2人を電話させるシーン、コードネームで呼び合うシーン、あの短いシーンでもファンを沸かせる2人はやっぱり華があります。

組織側もみんな良かった!
ジンは冷酷さとシェリーへの意味ありげな執着と少しの口の悪さ、ウォッカはアニキへの忠誠心と意外と部下思いの一面、ベルモットは裏工作で大活躍。
ピンガは前述のように有能さと小物感があって良かった。あと個人的にはピンガまだ生きてる可能性あるんじゃないかと思ってる。アイリッシュとキュラソーと比べると明確な死のシーンが無かった気がするので…。

そして、満場一致で今作のMVPであろう、キールこと本堂瑛海ですよ。
今でこそ安室さんの代名詞となっているトリプルフェイスという立ち位置だけど、本編ではキールの方が先に登場してて、CIA、組織の一員、アナウンサーという3つの顔がある事が発覚している(現在アナウンサーは休業中)キャラクターで、彼女に焦点が当たって以降の本編中では赤井との約束によって本作の冒頭ように組織の情報を流す役としての活躍が目立つ彼女。

キールが活躍するのは意外だったけど
嬉しかったですね

本作ではキールの過去が回想シーンとして流れ、彼女もまた灰原や直美と同じような組織に肉親を殺害された過去を持つ人物である事が強調されてました…。
同じような境遇の2人を逃すためにウォッカから情報を引き出し、ジンともヒリつくやり取りをするキール。「純黒の悪夢」では出演しているものの目立った活躍の無かった彼女の活躍が今作で描かれたのは嬉しかったです。

④灰原の主軸のストーリーで、主役はちゃんとコナンくん

前述の通り、正直言うと赤井さんと安室さんはもう少し出番が多く、それに伴って灰原について描く尺的なものが減ってしまうのではないか…と本編を見るまで思っていました。
そんな事を考えていた過去の自分を殴りたいくらい、本作はきちんと灰原哀の映画でした!!

これは後述する「本編、劇場版との繋がりを大切にしている」という部分にも被ってくるのですが、灰原哀という人物がどんな生い立ちで、どんな事件を経て、どう変わってきたのか、を知っていれば知ってるほど感動できるつくりだったのが本当に良かった…。
特にファンなら予告の時点で刺さっていたであろう

「子どもの言葉や行動が、人生を変えることもある。私はそれを体験して変われた。」

の台詞(うる覚えです)。特に回想もなかったですが十中八九、証人保護プログラムの一件の際の歩ちゃんの言葉を受けての発言だと思いますし、天国へのカウントダウンでの元太や光彦の行動も彷彿とさせられて号泣しました。

コナン君に関しては今作、潜水艦を見た事を信じてもらえなかったり、ピンガと戦って落ちてきた蘭を受け止められなかったりと、コナン自身が子供である事を悔しがるような描写が多かったのも印象深かったです。
取り乱して博士になだめられるシーンは2人の関係性が見えて好きでした。
敵が黒の組織で、灰原という守るべき存在が攫われたことによってコナンが例年よりも明確に追い詰められている印象もあり、コナンの主人公感が際立っていた気がします。

そして、話題の灰原からコナンへのキス。もとい人工呼吸のシーン。
個人的にはこの展開が公式からお出しされるのはすごいですよ…。ここまでならまだ、14番目のオマージュかなとか色々思う所はあったんですが、その後灰原が言うわけですよ。

「貴方は知らないけど…私たち…さっきキスしちゃったのよ…。」

(台詞はうる覚えです)
ここの灰原から見たコナンの過去のシーンめちゃ良かった…。これまで匂わされてた灰原からコナンへの気持ちを明確に公式が明言したんですよ!
コ哀推しの方が描いた同人誌じゃないんですよ。
もう一度言いますが、この展開を公式で、しかも青山先生からお出しされるという事が本当にすごいと思いました…!

からの蘭へキスして「返したわよ」なのがもうね…最高すぎる。
これだけ観客の気持ちを悶々とさせといてその落とし所は見事としか言いようがない。打ちのめされた様な感じでした。

⑤これまでの本編、劇場版との繋がりを大切にしている

黒の組織が登場し灰原の成長を描く内容の為、例年にも増して

まず冒頭のフサエブランドでテンションが上がり、ピンガの名前を聞いて過去のメンバーをコナンが思い出す中に「漆黒の追跡者」に登場したアイリッシュがいたり、ピンガの説明の際にラムの側近の前任者としてキュラソーが登場したのも良かったです。

灰原関連で言うと、コナンがメガネを貸すシーンでは、黒の組織との再会編のオマージュであり灰原自身もその事について言及してましたし、スペアのメガネのくだりは「緋色の弾丸」でのやりとりを踏まえたもの。
前述した「子どもの言葉や〜」は証人保護プログラムの際の歩ちゃんとのやり取り、蘭と灰原の関係は二元ミステリーの、最後の回想もあり、過去の出来事との繋がりを大事に描かれたシーンは多くて長年のファンとしてはめちゃくちゃ嬉しかったです…、こういうのに弱いオタクなので…。

総括

めちゃくちゃ面白かった!この一言に尽きます!

随所に盛り込まれる過去の出来事のオマージュや繋がりをどれだけ発見できるかによって、面白いと感じるか、感動できるかが変わってくるような気がしました。
なので、例年以上にコナンを知ってれば知ってるほど面白いし感動できて、逆に初見だとそうでもなかったりするのかな…とは思います。

あと2回くらいは見に行っちゃうんだろうなー。

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