「楢山節考」メモ。
「安楽死」の話を誰かがしていると、僕はだいたい楢山節考の事を考える。
楢山節考とは、端的に言うと、姥捨山、息子が母親を山に捨てる話である。
その村では70歳まで生きてしまった老人を山に捨てに行く掟になっていて、捨てられる母親「おりん」の「山へ行く」覚悟と息子「辰平」の苦悩と貧しい村の様子がたった68ページで描かれている。
たったの68ページである。
特に僕の心に刺さった箇所は(念のために読み返しました!)
○姥捨される前に寡になった息子に後妻を見つけるために気を揉む母親。
○子どもが増えすぎないように晩婚を推奨する歌。
○曾孫を抱いた女は、好色な子孫ばかりを産んだ馬鹿な女と嘲笑する歌。
○姥捨山に行くと本人が決めた前夜に姥捨経験者を集めてする儀式…
『お山へ行く作法は必ず守ってもらいやしょう 一つ、お山へ行ったら物を云わぬこと』
『お山へ行く作法は必ず守ってもらいやしょう一つ、家を出るときは誰にも見られないように出ること』
『お山へ行く作法は必ず守ってもらいやしょう一つ、山から帰る時は必ずうしろをふり向かぬこと』
○姥捨山(楢山)の累々たる死体の描写。
○姥捨を拒否する老人が強引に姥捨される様子。
である。
読むと、なかなかにドキドキする68ページとなっている。
以上
てげてげやっど!