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🔰ペイント大全ベーシック:ペイントの手順伝説 2023

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よくぞ来た。メタルミニチュアやレジンミニチュアは精密に作られており、多くの場合が一体成型(一発抜きと言う)か、必要最小限のパーツ分割しかされない。いわゆるプラモデルのような「パーツごとに仕上げてから最終的に組み上げる」ことを想定していないので、慣れていない人からすると「ええっこれどうやって塗るの?」と言うことになる。

何体かミニチュアペイントを楽しんでいると、だんだん「ああ、ここから塗り始めるといいな」とか「ここは後回しにしてこっちを先にやろうかな」といった判断ができるようになるが、最初からそれができる人は少ない。俺自身も始めたての頃は難儀した。ミニチュアのペイント手順を感覚的に理解できるまでに何年もかかったんだ。

ミニチュアを塗り進めるには、
いくつかの原則を知っておくだけで、
塗りやすさが倍増する。

ミニチュアを「どんな手順で塗り進めるか」を知ることは、ウォーキングやトレッキングで「歩き方」を知るのと同じくらい大切である。だが、ミニチュアは当然様々な種族を題材にし、あらゆるポーズをしていて、装備の種類や形状も千差万別…「常にこうする」と言うような、確定的な手順はない。

その一方で、どんなミニチュアにも共通する塗り方の順序原則や、気をつけておいた方がいいポイントには、かなりの共通点がある

そこで今回は、いくつかの原則や例外の具体例、そしてペイント進行のアプローチを複数紹介するとしよう。これらの理解を持った状態でペイントに着手すれば、ペイント手順を自分で組み立てることはそれほど難しくないぜ。

と言うことで今回は「ミニチュアペイントを進める手順」について語ろう。じゃあ、さっそく始めようか!



どこから塗ればよいのか

ミニチュアは、素材に関わらず、それが元々分割状態でのペイントを想定されているもの(騎乗ミニチュアや超大型のロボット兵器とか)でない限り、普通は組み上げてからペイントする。全部組み上げてからでないと、以下のような問題が出るからだ。

●ペイント後だと、強度を維持できる状態での接着が難しい。
●ペイント後だと、パーツの境目消しやスキマ埋めができない。
●明暗のグラデーションがかけづらく、ペイントが結局難しくなる。

一方で、「全部組み上げちゃうと、入り組んだ場所に筆先が入らないのでは?」という心配をする人もいるが、それは取り越し苦労と言えるだろう。多くのミニチュアは、組み上げた後にペイントすることを前提に原型が製作され、パーツ分割され、量産されているからだ。

それでもなお、筆先が届かないような場所が仮にあったとしたら、そこは完成した時に影になって全然見えない場所になるはずだ。見えるか見えないかわからん部分を塗り分けるがために、めちゃくちゃ目立つ分割線やスキマを残しておくのは、まさに本末転倒と言えるだろう。

と言うことで、一部の例外を除き、ミニチュアは全部組み上げてからペイントするものである。だがそれゆえに、色々なところが入り組んでいて、どこからペイントすればいいか迷うこともあろう。

どこからペイントをすべきか迷ったら、今から解説する三原則のうち、どちらかをあてはめていくといい。


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